分子ナノテクノロジー: 長期的展望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 03:57 UTC 版)
「ナノテクノロジー」の記事における「分子ナノテクノロジー: 長期的展望」の解説
「:en:Molecular nanotechnology」も参照 分子ナノテクノロジーとは、分子レベルのスケールで動作するナノシステム(ナノマシン群)を対象とする分野である。原子を材料として分子を組み立てる分子アセンブラという想像上の機械と強く結びついている。いわばボトムアップ方式の究極であり、現在主流のトップダウン方式とは全く異なる。K・エリック・ドレクスラーが「ナノテクノロジー」という言葉を使ったとき、それはこの「分子ナノテクノロジー」を主に指していた。分子スケールの生物学に機械部品のようなものが見られることから、機械として機能する分子を作ることもできるはすだという前提がある。 ドレクスラーらは、分子スケールの機械部品(歯車、軸受、モーター、構造材など)を作ることで、ナノスケールの工場を作ることを提案した。Carlo Montemagno は、未来のナノシステムはシリコン技術と生物学的分子機械の融合になるだろうという。リチャード・スモーリーは、こうした方向の実現性に否定的だった。2003年、アメリカ化学会の出版物 Chemical & Engineering News でスモーリーとドレクスラーの公開書簡による討論が行われた(別項参照)。 生体内には分子レベルの機械システムがあることは明らかだが、人工の分子機械はまだ研究が始まったばかりである。人工の分子機械の研究ではカリフォルニア大学バークレー校とローレンス・バークレー国立研究所の Alex Zettl の研究が知られている。彼らは外部から印加する電圧で制御できる3種類の分子デバイスの試作に成功している。
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