分子シャペロン機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 11:47 UTC 版)
「熱ショックタンパク質」の記事における「分子シャペロン機能」の解説
リボ核酸(RNA)からの翻訳により生成した新生タンパク質は不安定な状態にある。自由エネルギー的には常に最低の状態にあるわけではなく様々な立体構造をとりうるが、タンパク質はフォールディングと呼ばれる過程を経て安定化する。HSPはこの新生タンパク質に結合することによりタンパク質のフォールディングを制御する分子シャペロンとしての機能を持ち、分子シャペロンの多くはHSPである。高温条件化において変性したタンパク質、あるいは新生タンパク質のうちフォールディングの段階に問題があり、機能できないものなどにはHSPが結合してその処理を行うことが知られている。HSPはこのような高次構造の破壊されたタンパク質の修復およびタンパク質変性の抑制機能を有し、修復が不可能であると判断されたタンパク質はユビキチン化を受け、プロテアソームと呼ばれる酵素複合体へ運搬されて分解を受ける(タンパク質の品質管理)。このフォールディングの段階に異常があり、不良品タンパク質が細胞内に蓄積するとフォールディング病と呼ばれる疾患に陥る。
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