分割数の母函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:04 UTC 版)
分割数 p(n) の母函数は、次の式で与えられる。 ∑ n = 0 ∞ p ( n ) x n = ∏ k = 1 ∞ ( 1 1 − x k ) . {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }p(n)x^{n}=\prod _{k=1}^{\infty }\left({\frac {1}{1-x^{k}}}\right).} 右辺の各項を幾何級数として展開すれば、これは (1 + x + x2 + x3 + ...)(1 + x2 + x4 + x6 + ...)(1 + x3 + x6 + x9 + ...) .... と書くことができるが、ここから積をとって xn の項となるものを拾い出せば n = a1 + 2a2 + 3a3 + ... = (1 + 1 + ... + 1) + (2 + 2 + ... + 2) + (3 + 3 + ... + 3) + ..., を得る。ここで各数 i は ai 個ずつ現れる。これはまさに n の分割の定義そのものであるから、この無限積が求める母函数を与えることが確認できる。もっと一般に、整数 n の適当な集合 A に属する整数への分割数の母函数も、上記の式の項の k を A の元となっているものにとることで得られる。この結果はオイラーによる。 オイラーによるこのような分割数の母函数の定式化は q-ポッホハマー記号の特別な場合であり、また多くのモジュラー形式の積の定式化(特にデテキント・イータ函数の)と近い関係にある。また、この母函数表示をオイラーの五角数定理と合わせれば、次のような漸化式 p(k) = p(k − 1) + p(k − 2) − p(k − 5) − p(k − 7) + p(k − 12) + p(k − 15) − p(k − 22) − ... を得る。ここで p(0) = 1 および負の整数 k に対して p(k) = 0 とし、和は ½n(3n − 1) の形(ただし n は正または負の整数全体を走る)の一般五角数全体にわたってとるものとする(順に n = 1, −1, 2, −2, 3, −3, 4, −4 ..., とすると、値として 1, 2, 5, 7, 12, 15, 22, 26, 35, 40, 51, ... が得られる)。和における符号は交互に +, +, −, −, +, +, ... と続く。
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