分割数の合同算術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:04 UTC 版)
詳細は「ラマヌジャンの合同式」を参照 ラマヌジャンは 4 または 9 で終わる整数に対する分割数に関して合同式 p ( 5 k + 4 ) ≡ 0 ( mod 5 ) {\displaystyle p(5k+4)\equiv 0{\pmod {5}}} が成立することを発見した。例えば、整数 4 の分割数は 5 であり、整数 9 の分割数は 30、整数 14 の分割数は 135 といった具合である。ラマヌジャンはまた 7 および 11 に関する合同式 p ( 7 k + 5 ) ≡ 0 ( mod 7 ) p ( 11 k + 6 ) ≡ 0 ( mod 11 ) {\displaystyle {\begin{aligned}p(7k+5)&\equiv 0{\pmod {7}}\\p(11k+6)&\equiv 0{\pmod {11}}\end{aligned}}} も発見している。さて、5, 7, 11 は連続する素数になっているので、次の素数 13 に対する同様の合同式 p(13k + a) ≡ 0 (mod 13) が適当な a のもと成立しそうなものだが、実際にはそうはなっていない。さらにいえば、p(bk + a) ≡ 0 (mod b) の形の合同式は 5, 7, 11 以外のどの素数 b に対しても成立しないことが示せる。 1960年代にイリノイ大学シカゴ校のアトキンは、同様のいくつかの小さな素数を法とする合同式を発見している。例えば p ( 11 3 ⋅ 13 ⋅ k + 237 ) ≡ 0 ( mod 13 ) {\displaystyle p(11^{3}\cdot 13\cdot k+237)\equiv 0{\pmod {13}}} のようなものが含まれる。2000年には、ウィスコンシン大学マディソン校の小野(Ken Ono)は任意の素数を法とする同様の合同式の存在を示した。さらに数年後、小野はイリノイ大学のスコット・アールグレンとともに、6 と互いに素なすべての整数を法とする分割数の合同式が存在することを証明している。 A.ブライチャー:「ラマヌジャンの予言」、日経サイエンス、2014年9月号、頁67-72. Amanda Folsom, Zachary A. Kent and Ken Ono:"l-Adic Properties of the Partition Function", Advances in Mathematics, v.229, No.3, pp.1586-1609 (Feb. 15, 2012). Ken Ono and Larry Rolen:"Ramanujan's Mock Theta Functions", Proc. National Academy of Sci. USA, v.110, No.15, pp.5765-5768(Apr. 9, 2013). url="www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3625272".
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