分割主義、点描主義、色彩光線主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/15 07:33 UTC 版)
「新印象派」の記事における「分割主義、点描主義、色彩光線主義」の解説
スーラが印象派の経験的で直観にたよった色彩表現を論理的で科学に基づいた表現にするために確立した方式は、原理上の観点から「分割主義」、技法的観点から「点描主義」と呼ばれ、スーラ自身は「色彩光線主義」という言葉を好んだ。印象派は刻一刻と変化する光を表現するために、筆触分割と呼ばれる、混色を使わずいくつかの原色に近い色を細かく配置することで周囲の光や空気の微細な変化を画面にもたらすことに成功していた。しかし、筆触は依然大きく不揃いで、まだ乾かない状態で絵の具を塗り重ねていったため、絵の具(固体顔料)が混ざり合い暗くなってしまうという欠点があった。ルードはヘルマン・フォン・ヘルムホルツの研究を紹介し、特筆すべき事として固体顔料は光線のような明度の高い色彩を表現できないことをあげている。スーラはこのような当時の科学的考えを採用して、筆触分割を科学的に徹底させた。具体的には、キャンパスに純色のみの小さな筆触を並べ(点描主義)、色を分割し(分割主義)、その配置を法則化した。そうすることで「同時対比の法則が作用し、視覚混合により光と色の表現を最大限に表現すること」が可能になったのである。
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