冒頭文の「国境」の読み方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 11:24 UTC 版)
「雪国 (小説)」の記事における「冒頭文の「国境」の読み方」の解説
本作の冒頭文、〈国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた〉という文の中の、この「国境」の読み方には、「くにざかい」か「こっきょう」か、という議論があるが、長谷川泉は、「くにざかい」が正しいとし、「このことでは、川端康成とも話をしたことがあった」と述べている(川端の発言は不明)。 「国境」を「くにざかい」と読むことを主張する人々は、この「国境」とは、かつての令制国である上野国(群馬県)と越後国(新潟県)の境という意味であり、日本国内における旧令制国の境界の読み方は一般に「くにざかい」である、と主張する。 一方、「こっきょう」と読むことを主張する人々は、上越国境は「じょうえつこっきょう」と読むことが一般的であるとし、川端自身も、「こっきょう」と読むことを認める発言をしていたと主張する。川端と武田勝彦との対談では、川端が「上越国境とか信越国境とかいいますけどね。国境(こっきょう)と読んでいるでしょうね、みんな」と発言、武田が「いや、でもあれは国境(くにざかい)のほうが……読む方も多いと思います」と応じ、川端は「そうですかしら」とのみ返している。 なお、日本国語大辞典第2版(小学館)の記述は、「こっ‐きょう[コクキャウ] 【国境】 国と国との境界線。日本においては、近世まで行政上の一区画をなした地(「くに(国)」)の境界をもいった。(中略)くにざかい。」としている。同初版では「こっきょう」の例文としてこの箇所がとられている。
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