再々着火能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:13 UTC 版)
LE-5ファミリーは再着火能力を持つが、特にLE-5Bはアメリカのセントール上段のRL10と同様の再々着火能力を持っている。これによりロングコースト静止トランスファ軌道への打ち上げが可能となり、静止軌道に投入される際の衛星側の軌道遷移用の噴射が少量で済み、衛星を長寿命化もしくは軽量・小型化できる。すなわち再々着火が実用化されれば、軌道遷移のための衛星自身による噴射が少量で済み、赤道直下から打ち上げるロケットとも対抗できるほど静止軌道へのロケット打ち上げの際の商業受注に関する競争力が高まる。 ただし内蔵電源などの第2段機体の制約上、長らく再々着火を行っての運用は実用化されず、これを実現するために2011年度から「基幹ロケット高度化」と呼ばれる第2段機体を中心とした改良開発が行われてきた。そして2015年11月24日のH-IIA29号機で初めて「基幹ロケット高度化」の一要素の「静止衛星打ち上げ対応能力の向上」が初適用されて、再々着火を行っての運用が行われた。 なお、実用化のための宇宙空間での初の再々着火試験については、当初は1999年11月のH-IIロケット8号機で行う予定だったが、打ち上げ途中で指令破壊が行われたため行われず、2002年2月のH-IIA試験機2号機のつばさ分離後の打ち上げ1時間40分後に初めて[要出典]再々着火が行われた。また着火はしていないが、H-IIA試験機1号機、7、21、24、26号機でも実用化に向けた先行的実験が行われた。
※この「再々着火能力」の解説は、「LE-5B」の解説の一部です。
「再々着火能力」を含む「LE-5B」の記事については、「LE-5B」の概要を参照ください。
- 再々着火能力のページへのリンク