ブランカフォルト:内なる歌 第1集
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブランカフォルト:内なる歌 第1集 | Cants intims, I | 作曲年: 1918-20年 出版年: 1924年 初版出版地/出版社: Senart |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | また、しおれた花を見つけた Encara he trobat flors marcides | 1分30秒 | No Image |
2 | 海辺へ休みにいくと、一面の曇り空だった…… He anat a reposar a la platja i el cel era tot gris... | 2分30秒 | No Image |
3 | 涙 Llagrimes | 2分30秒 | No Image |
4 | 僕は独りで、そして悲しい Estic sol i estic trist | 1分30秒 | No Image |
5 | 苦しく嘆いて Queixant-me amargament | 3分00秒 | No Image |
6 | 何かに安らぎ見つかるだろうか En res puc trobar consol | 2分00秒 | No Image |
7 | 僕は君を許した T'he perdonat | 2分30秒 | No Image |
8 | 母は歌い、ゆりかごは揺れる La mare canta i el bressol gronxa | 2分30秒 | No Image |
作品解説
1918年から1920年にかけて作曲されたピアノ曲集「内なる歌」第1集は、青春の憂鬱とでもいえるような、ナイーヴな内面世界をしみじみと歌った魅力ある小品集。1920年に結婚した妻エレーナ・パリスに捧げられている。どの曲も1~2ページ程度と短く、小節線や拍子記号の省略された簡潔な譜面が特徴的である。各曲の標題(楽譜右肩に小さく添えられている)、調性などは以下のとおりである。
1. また、しおれた花を見つけた
速く。嬰へ短調。4度の響きが印象的な舞曲。
2. 海辺へ休みにいくと、一面の曇り空だった……
静かに。ハ長調。5度を中心とした平明な響きの主部と、短調で憂いを含んだ中間部が組み合わせられる。
3. 涙
ゆっくりと - 激しく。イ短調。こぼれ落ちるようなアルペジオに乗せて、息の長いシンプルなメロディが歌われる。
4. 僕は独りで、そして悲しい
簡潔に。ホ短調。繊細なメロディが切々と歌われる。
5. 苦しく嘆いて
ゆっくりと、苦しげに。ニ短調。2度を多用した重苦しい響きの曲。
6. 何かに安らぎ見つかるだろうか
不安げに。嬰ト短調。落ち着きなく揺らぐオスティナート。中間部は哀歌になる。
7. 僕は君を許した
ゆっくりと、苦しげに。イ短調。付点のリズムか重苦しい心情を表現する。コーダではフォルテに至り、最後は救いを感じさせるイ長調へと消え入るように終始する。
8. 母は歌い、ゆりかごは揺れる
安らかに。ハ長調。シチリアーノの揺らぎに乗せて、終始おだやかに組曲全体を締めくくる。
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