共通化とハイテク化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 05:15 UTC 版)
「ボーイング767」の記事における「共通化とハイテク化」の解説
757と767は同時期に開発する旅客機であることから、開発費を節約するためにも、両機種に多くの共通点を持たせることが考慮されていた。それは補助動力装置 (APU) やアビオニクス、さらには操縦資格まで共通化することを目指していた。通常、旅客機の操縦資格は機種ごとに取得することになるが、1つの操縦資格で2機種に乗務できることになれば、航空会社側でも操縦士の勤務割り当てに自由度が増すことになり、メリットは大きく、販売上も有利になると考えられたからである。この共通資格認定は1983年7月22日に認められ、地上講習(座学)により757と767の相違について学習することで、双方の機種への乗務が認められることになったのである。 また、757と767ではコクピットの共通化を図るだけでなく、計器類を合計6個のCRTに表示するグラスコックピットと航空機の機器状況などを容易に把握できるエンジン計器・乗員警告システム(EICAS)を搭載して自動化を進めることで直接運航コストが低減されることを目指した。これにより、これまで操縦士2人と航空機関士1人の計3人で乗務する必要があったものを、操縦士2人のみで安全な運航が可能になることを目標としていた。この当時、まだグラスコックピットという言葉自体がなく、むしろ757と767の登場によって初めて使用されるようになった言葉であった。 なお、757と767の操縦規格を共通化したことと2名のみでの運航を可能にしたことは、不運にもアメリカ同時多発テロ事件の遠因のひとつを作ることになってしまった。
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