共役作用素とは? わかりやすく解説

随伴作用素

(共役作用素 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/28 16:34 UTC 版)

数学の特に函数解析学において、ヒルベルト空間上の各有界線型作用素は、対応する随伴作用素(ずいはんさようそ、: adjoint operator)を持つ。作用素の随伴は正方行列随伴行列の概念の無限次元の場合をも許すような一般化である。ヒルベルト空間上の作用素を「一般化された複素数」と考えれば、作用素の随伴は複素数に対する複素共軛の役割を果たすものである。

作用素 A の随伴は、シャルル・エルミートに因んでエルミート共軛 (Hermitian conjugate) とも呼ばれ、A* あるいは A、また稀に A+ などで表される(“†” は特にブラケット記法とともに用いられる)。

有界作用素に対する定義

H内積 ⟨,⟩ を備えるヒルベルト空間とし、連続線型作用素 A: HH(線型作用素に対して、連続性はそれが有界作用素であることと同値)を考えるとき、A の随伴作用素 A: HH は、

カテゴリ

共役作用素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:55 UTC 版)

量子力学の数学的定式化」の記事における「共役作用素」の解説

T   :   H 1 → H 2 {\displaystyle T~:~{\mathcal {H}}_{1}\to {\mathcal {H}}_{2}} を稠密に定義され線形作用素とする。ベクトル ψ ∈ H 2 {\displaystyle \psi \in {\mathcal {H}}_{2}} に対し、以下の性質満たす ψ ′ ∈ H 1 {\displaystyle \psi '\in {\mathcal {H}}_{1}} を考える: 任意の ϕ ∈ D o m ( T ) {\displaystyle \phi \in \mathrm {Dom} (T)} に対し、 ⟨ ψ ′ , ϕ ⟩ = ⟨ ψ , T ( ϕ ) ⟩ {\displaystyle \langle \psi ',\phi \rangle =\langle \psi ,T(\phi )\rangle } このような ψ ′ {\displaystyle \psi '} は常に存在するとは限らないが、存在すれば一意である事を示せ新井(p82-83)。そこで共役作用素を以下のように定義する: 定義 (共役作用素) ― D o m ( T ∗ ) = {   ψ ∈ H 2   :   {\displaystyle \mathrm {Dom} (T^{*})=\{~\psi \in {\mathcal {H}}_{2}~:~} 上述性質満たす ψ ′ {\displaystyle \psi '} が存在する } {\displaystyle \}} とし、線形写像T*を T ∗   :   D o m ( T ∗ ) → H 1 , ψ ↦ ψ ′ {\displaystyle T^{*}~:~\mathrm {Dom} (T^{*})\to {\mathcal {H}}_{1},\quad \psi \mapsto \psi '} により定義し、T*をTの共役作用素という新井(p82-83)。 定義より明らかに 任意の x ∈ D o m ( T ) ∩ D o m ( T ∗ ∗ ) {\displaystyle x\in \mathrm {Dom} (T)\cap \mathrm {Dom} (T^{**})} に対し、 T ∗ ∗ ( x ) = T ( x ) {\displaystyle T^{**}(x)=T(x)} であるが、Tが有界とは限らない時、Tが稠密に定義されていたとしてもT*が稠密に定義されることもT**とTの定義域一致する事も無条件には保証されない新井(p83-84)が、Tが可閉であればこれらは保証される定理 ― Tが可閉であれば以下が成立する: T*が稠密に定義される⇔Tが可閉作用素新井(p90) D o m ( T ∗ ∗ ¯ ) = D o m ( T ¯ ) {\displaystyle \mathrm {Dom} ({\overline {T^{**}}})=\mathrm {Dom} ({\bar {T}})}

※この「共役作用素」の解説は、「量子力学の数学的定式化」の解説の一部です。
「共役作用素」を含む「量子力学の数学的定式化」の記事については、「量子力学の数学的定式化」の概要を参照ください。

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