随伴作用素
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 02:20 UTC 版)
数学の特に函数解析学において、ヒルベルト空間上の各有界線型作用素は、対応する随伴作用素(ずいはんさようそ、英: adjoint operator)を持つ。作用素の随伴は正方行列の随伴行列の概念の無限次元の場合をも許すような一般化である。ヒルベルト空間上の作用素を「一般化された複素数」と考えれば、作用素の随伴は複素数に対する複素共軛の役割を果たすものである。
- ^ a b c d Reed & Simon 2003, pp. 186–187; Rudin 1991, §12.9
- ^ 詳細は非有界作用素を参照。
- ^ Reed & Simon 2003, pp. 252; Rudin 1991, §13.1
- ^ Rudin 1991, Thm 13.2
- ^ 有界作用素の場合は Rudin 1991, Thm 12.10 を見よ。
- ^ 有界作用素の場合と同じ。
- ^ Reed & Simon 2003, pp. 187; Rudin 1991, §12.11
共役作用素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:55 UTC 版)
「量子力学の数学的定式化」の記事における「共役作用素」の解説
T : H 1 → H 2 {\displaystyle T~:~{\mathcal {H}}_{1}\to {\mathcal {H}}_{2}} を稠密に定義された線形作用素とする。ベクトル ψ ∈ H 2 {\displaystyle \psi \in {\mathcal {H}}_{2}} に対し、以下の性質を満たす ψ ′ ∈ H 1 {\displaystyle \psi '\in {\mathcal {H}}_{1}} を考える: 任意の ϕ ∈ D o m ( T ) {\displaystyle \phi \in \mathrm {Dom} (T)} に対し、 ⟨ ψ ′ , ϕ ⟩ = ⟨ ψ , T ( ϕ ) ⟩ {\displaystyle \langle \psi ',\phi \rangle =\langle \psi ,T(\phi )\rangle } このような ψ ′ {\displaystyle \psi '} は常に存在するとは限らないが、存在すれば一意である事を示せる新井(p82-83)。そこで共役作用素を以下のように定義する: 定義 (共役作用素) ― D o m ( T ∗ ) = { ψ ∈ H 2 : {\displaystyle \mathrm {Dom} (T^{*})=\{~\psi \in {\mathcal {H}}_{2}~:~} 上述の性質を満たす ψ ′ {\displaystyle \psi '} が存在する } {\displaystyle \}} とし、線形写像T*を T ∗ : D o m ( T ∗ ) → H 1 , ψ ↦ ψ ′ {\displaystyle T^{*}~:~\mathrm {Dom} (T^{*})\to {\mathcal {H}}_{1},\quad \psi \mapsto \psi '} により定義し、T*をTの共役作用素という新井(p82-83)。 定義より明らかに 任意の x ∈ D o m ( T ) ∩ D o m ( T ∗ ∗ ) {\displaystyle x\in \mathrm {Dom} (T)\cap \mathrm {Dom} (T^{**})} に対し、 T ∗ ∗ ( x ) = T ( x ) {\displaystyle T^{**}(x)=T(x)} であるが、Tが有界とは限らない時、Tが稠密に定義されていたとしてもT*が稠密に定義されることもT**とTの定義域が一致する事も無条件には保証されない新井(p83-84)が、Tが可閉であればこれらは保証される: 定理 ― Tが可閉であれば以下が成立する: T*が稠密に定義される⇔Tが可閉作用素新井(p90) D o m ( T ∗ ∗ ¯ ) = D o m ( T ¯ ) {\displaystyle \mathrm {Dom} ({\overline {T^{**}}})=\mathrm {Dom} ({\bar {T}})}
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