六信五行と五信十行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:58 UTC 版)
イスラム教(スンナ派)の信仰の根幹は、六信と五行、すなわち、6つの信仰箇条と、5つの信仰行為から成り立っている。 六信は、次の6つである。 神(アッラー) 天使(マラーイカ) 啓典(クトゥブ) 使徒(ルスル) 来世(アーヒラ) 定命(カダル) このうち、特にイスラム教の根本的な教義に関わるものが神(アッラー)と、使徒(ルスル)である。ムスリムは、アッラーが唯一の神であることと、その招命を受けて預言者となったムハンマドが真正なる神の使徒であることを固く信じる。イスラム教に入信し、ムスリムになろうとする者は、証人の前で「アッラーのほかに信仰は無し」「ムハンマドは神の使徒なり」の2句からなる信仰告白(シャハーダ)を行うこととされている。 また、ムスリムが取るべき信仰行為として定められた五行(五柱ともいう)は、次の5つとされている。 信仰告白(シャハーダ) 礼拝(サラー) 喜捨(ザカート) 断食(サウム) 巡礼(ハッジ) これに、ジハード(努力・聖戦)を6つめの柱として加えようという意見もあるが、伝統的には上の5つである。 これらの信仰行為は、礼拝であれば1日のうちの決まった時間、断食であれば1年のうちの決まった月(ラマダーン、ラマダン)に、すべてのムスリムが一斉に行うものとされている。このような行為を集団で一体的に行うことにより、ムスリム同士はお互いの紐帯を認識し、ムスリムの共同体の一体感を高めている。集団の一体感が最高潮に達する信仰行為が巡礼(ハッジ)であり、1年のうちの決まった日に、イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカ(マッカ)ですべての巡礼者が定まったスケジュールに従い、同じ順路を辿って一連の儀礼を体験する。 一方、シーア派では、五信(神の唯一性、神の正義、預言者、イマーム、来世)、十行(礼拝、喜捨、断食、巡礼、五分の一税、ジハード、善行、悪行の阻止、預言者とその家族への愛、預言者とその家族の敵との絶縁)となる。
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