全長とホイールベースの短さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 03:36 UTC 版)
「ランチア・ストラトス」の記事における「全長とホイールベースの短さ」の解説
一般的に、自動車はホイールベースが長いほど直進安定性を得やすく、ストラトスのリヤのトレッドは例えば日産スカイラインGT-Rに近い数値なのに対し、ホイールベースは一般的な軽自動車のホイールベースよりも短く、全長は欧州車での分類上のAセグメントに相当する短さであり、ホイールベースを前後トレッドの平均値で割った数値のホイールベーストレッド比(W/T)はストラダーレでさえ約1.51と小さい数値である。これはラリー競技としての資質を優先させたゆえであり、ホイールベースが短いため直進安定性を得るのは簡単ではないが、代わりに高い回頭性を得ている。そのためこの車を駆ったプロドライバー達は乗りこなしに苦しんだ。その挙動については、WRCでの実戦でストラトスに乗ったことのあるラリーストであるミシェル・ムートンやビヨン・ワルデガルドとの取材時エピソードで語られている通り「全てのコースがコーナーであってくれれば良いと思ったくらい」、「直線では気を抜けない」などと表現していた。当時ラリーに参戦していたストラトスの写真はどれも決まった車体のコーナリング角度が無く、写真を見るだけでもその回頭性能がシビアだったのかが伺える。当時のタイヤ性能でその特異なコーナリング性能を発揮するにはいささか不足がちとしてワークスチームタイヤ供給元であるイタリアのピレリに開発を委ね、後に「ピレリ・P7」として商品化もされた。
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