全身痙攣性てんかん重積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:21 UTC 版)
てんかん治療ガイドライン2010にて、フローチャートにまとまっている。 気道確保、酸素吸入 てんかん重積を放置すると低酸素脳症を起こすため、まずは気道確保と酸素投与が必要である。 初期薬物投与 末梢静脈確保ができない場合、ジアゼパム10mgの筋注か注腸、ミダゾラム10mgの口腔粘膜投与や点鼻が行われる。血管の確保ができている場合、ビタミンB1(アリナミンF)100mgを投与し、その後に50%ブドウ糖50mlを投与する。そのうえで、成人であればジアゼパム10mgを呼吸抑制に注意しながら2分くらいかけて静注する。小児なら、0.3~0.5mg/Kg投与する。ジアゼパムは生理食塩水やブドウ糖に混ぜると混濁するため、希釈せずそのまま静注する。5~10分で発作が治まらないようなら、ジアゼパム10mgの追加投与またはフェノバルビタールかミダゾラムの静注を行う。ジアゼパム単独の発作抑制時間は20分程度とされているため、フェニトイン(アレビアチン)やホスフェニトイン(ホストイン)を22.5mg/Kgの投与を行う。 全身麻酔療法 初期薬物投与を行っても治まる気配がない場合、脳波をモニタリングしながら全身麻酔療法を実施する。バルビツール酸系薬ではチオペンタールやチアミラールが使われる。ベンゾジアセピン系であるミダゾラムのほか、プロポフォールも用いられる。てんかん重積の3~4割は、全身麻酔が必要とされる。
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