光錐の弦の場の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 15:20 UTC 版)
光錐の弦の場の理論はスタンレイ・マンデルスタム(英語版)(Stanley Mandelstam)により導入され、マンデルスタムやマイケル・グリーン(Michael Green)やジョン・シュワルツ(John Schwarz)やラース・ブリンク(Lars Brink)により開発された。 光錐の弦の第二量子化の明らかな記述は、ミチオ・カク(Michio Kaku)と吉川・圭二(英語版)(Keiji Kikkawa)により与えられた。 光錐の弦の場の理論は構成された最初の弦の場の理論であり、光錐ゲージの弦の散乱の単純さを基礎としている。例えば、ボゾン閉弦(英語版)(bosonic closed string)の場合には、ワールドシートの散乱図形は自然にファインマン図形のような形をなり、下図のように一つのプロパゲーターの2つの成分から作られる。 さらに、結合と分岐のための2つの頂点は、3つのプロパゲーターを貼り合わせを使うことができて、下図のようになる。 これらの頂点とプロパゲーターは、 n {\displaystyle n} -点の閉弦の散乱振幅のモジュライ空間の被覆のひとつを生成するので、もはやこれ以上高い頂点は要求されない。 同じような頂点が、開弦に対しても存在する。 光錐量子化された超弦理論を考えると、光錐の頂点が衝突するときに発散が起きるので、議論はさらに微妙である。 整合性を持った理論とするためには、発散をキャンセルする接触項と呼ばれるより高い次数の頂点を導入する必要がある。 光錐の弦の場の理論は、明らかにローレンツ共変性(Lorentz invariance)を破るという欠点を持っている。しかし、光ライク(英語版)(light-like)なキリングベクトルを持った背景では、光錐の場の理論は弦の作用の量子化を大幅に簡素化することができる。さらに、バーコビッツの弦の出現までは、これがラモン・ラモン場のある中で弦を量子化する唯一の知られた方法であった。最近の研究では、光錐の弦の場の理論はpp-ウェーブの背景での弦の理解において、重要な役割りを演ずる。
※この「光錐の弦の場の理論」の解説は、「弦の場の理論」の解説の一部です。
「光錐の弦の場の理論」を含む「弦の場の理論」の記事については、「弦の場の理論」の概要を参照ください。
- 光錐の弦の場の理論のページへのリンク