光量子と連続極限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 20:18 UTC 版)
「レイリー・ジーンズの法則」の記事における「光量子と連続極限」の解説
「光子気体」も参照 量子論の枠組みでは輻射場は量子化された場で表される。電荷や電流が分布しない真空中では、量子化された電磁場の各モードが量子力学的な調和振動子に対応する。この量子力学的な調和振動子は光子を表しており、振動数 ν の光子のエネルギーは ϵ ν ( n ) = ( n + 1 2 ) h ν ( n = 0 , 1 , 2 , ⋯ ) {\displaystyle \epsilon _{\nu }(n)={\biggl (}n+{\frac {1}{2}}{\biggr )}h\nu \quad (n=0,1,2,\cdots )} という離散的な値をとる。各 n に対応するエネルギー状態は調和振動子の第 n 励起状態であるが、これは輻射場の振動数 ν のモードに n 個の光子が励起した状態である。n=0 での基底状態でエネルギーは有限の値 hν/2 をとるが、これは零点エネルギーと呼ばれる。観測に掛かるのはエネルギーの基底状態からの差であり、零点エネルギーの効果は以降の議論で無視できる。零点エネルギーを無視すると、振動数 ν のモードの光子は、hν, 2hν, 3hν… という hν の整数倍のエネルギーのみをとる。 温度 T の平衡状態でエネルギーεν(n)=nhν を持つ状態にある確率はボルツマン因子を用いて、 P ( n ) = exp ( − n h ν / k T ) ∑ n = 1 ∞ exp ( − n h ν / k T ) = exp ( − n h ν / k T ) Z {\displaystyle P(n)={\frac {\exp(-nh\nu /kT)}{\sum _{n=1}^{\infty }\exp {(-nh\nu /kT)}}}={\frac {\exp {(-nh\nu /kT)}}{Z}}} で与えられることから、その期待値は ⟨ ϵ ν ⟩ = ∑ n = 1 ∞ ϵ ν ( n ) P ( n ) = h ν e h ν / k T − 1 {\displaystyle \langle \epsilon _{\nu }\rangle =\sum _{n=1}^{\infty }\epsilon _{\nu }(n)P(n)={\frac {h\nu }{e^{h\nu /kT}-1}}} となり、プランクの公式を与える結果が得られる。離散的なエネルギーの間隔をゼロとし、エネルギーが連続的であるとする極限 hν → 0 では ⟨ ϵ ν ⟩ → k T {\displaystyle \langle \epsilon _{\nu }\rangle \rightarrow kT} となり、レイリー・ジーンズの公式を与える結果になる。
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