出現まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:30 UTC 版)
前装銃(前装式)の時代には、弾丸と火薬は銃口から別々に装填されていた。日本では木製の筒型容器に一発分の弾丸と火薬を組み合わせたものを携行し、装填の手間を短縮する方式がとられるようになり、これを「早合(はやごう)」と呼んだ。 欧州では、歩兵の装備として1発分の火薬と弾丸をソーセージのように紙で包んだ紙製薬莢を使い、装填時にその一端を噛み破り、中身の弾丸と火薬を装填する方法が19世紀中頃まで行われた。紙製薬莢は「パトローネ」「パトロン」「紙早合」などと呼ばれた。今日、包装用の褐色の紙を「ハトロン紙」と云うのはその名残である。 しかし、前装銃は伏せた状態や射撃姿勢を維持したままでの装填が困難であり、不発が生じた場合の対処に手間がかかることから、火器が普及した17世紀頃から各種の後装式(ブリーチローダー)銃が考案されるようになった。 19世紀初頭までにいくつかの実用的な後装式軍用銃が出現する時代が到来したが、依然として弾丸と火薬は別々の状態であり、後装式の形態も銃身後部を切断して独立した薬室とする形状のものであり、回転式拳銃と同様に銃身と薬室の繋ぎ目から漏れる発射ガスを放置するデザインだった(注:回転式拳銃がアメリカ合衆国で特許を取得したのは1836年であり、これら後装銃の出現より後のことである)。
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