先進統一黨とは? わかりやすく解説

先進統一党

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 09:11 UTC 版)

韓国政党
先進統一党
선진통일당
成立年月日 2008年2月1日(自由先進党として)
前身政党 ハンナラ党(一部)
国民中心党
国民中心連合[1]
解散年月日 2012年11月16日
解散理由 セヌリ党への合流
後継政党 セヌリ党
本部所在地 ソウル特別市永登浦区汝矣島洞14-14 龍山ビル
政治的思想 保守主義
新保守主義
政治的立場 中道右派 - 右派
公式カラー     青色
公式サイト 선진통일당
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先進統一党
各種表記
ハングル 선진통일당
漢字 先進統一黨
発音 ソンジントンイルダン
日本語読み: せんしんとういつとう
英語表記: Advancement Unification Party
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先進統一党(せんしんとういつとう、韓国語: 선진통일당)は、かつて存在した韓国の政党略称統一党

沿革

党結成と18代総選挙

自由先進党時代のロゴ(2008年 - 2012年)
自由先進党時代の中央党舎(2009年7月16日撮影)

2007年12月19日に行われた第17代大統領選挙ハンナラ党を離党し、無所属で出馬して落選した李会昌を中心に2008年2月1日に結成され、同年2月12日国民中心党と合併。総裁に李会昌、代表に前忠清南道知事で国民中心党代表の沈大平が就任した。

当初予定されていた党名は「自由新党[2]であったが、自由新党では、略称が大統合民主新党と同じ「新党」になってしまい混乱を招くことと、100年政党をめざす党として、「新党」と言う名称はふさわしくないと言う理由から「自由先進党」になった[3]

4月9日に行なわれた第18代総選挙では支持基盤としている忠清南道を中心に支持を伸ばし、18議席を獲得したものの、目標としていた院内交渉団体資格の20議席には届かなかった。

「先進と創造の集まり」の結成と解散

第18代国会開催を目前にした、5月23日創造韓国党の文国現代表と李総裁が国会内で会合を持ち、「先進党と創造韓国党は大運河阻止、権益主権と国民の健康権確保が前提の米国産牛肉輸入、中小企業活性化を目指し共同努力することで意をまとめ、交渉団体を共同構成することにした」と合意文を発表し、両党で院内交渉団体を構成することに合意した。先進党は両党の統合も模索したが、創造韓国党側は難色を示した。「正統保守」を自認する先進党と、「創造的な進歩」(中道左派)を模索する創造韓国党が、院内交渉団体を構成するために手を組んだことに対して原則の無い離合集散との批判[4]もあったが8月6日、先進党と創造韓国党は共同院内交渉団体構成に正式合意し、「先進と創造の集まり」を旗揚げ[5]することになった。

しかし2009年8月30日に、沈代表が李総裁の党運営に対する不満を理由として先進党を離党し、翌日の9月1日に交渉団体脱退書を国会事務所に提出したことで、院内交渉団体を構成するために必要な20議席に達しなくなったため、先進と創造の集まりは交渉団体の地位を喪失し解散した[6]

沈代表の離党で先進党は結党以来最大の危機を迎えることになり、来年行われる統一地方選挙の行方にも大きな影響を与えることも予想された[7]

その後、2010年3月25日に沈氏は新たに「国民中心連合」(略称:国民連)を結成した[8]

2010年3月17日に全党大会が開かれ、李会昌が代表に選出されたのち、総裁職を廃止して代表に党権限を一元化することが決定した。

全国同時地方選敗北

6月2日に行なわれた第5回全国同時地方選挙で先進党は、広域自治団体長3名、広域議会地域区78名など合計で427名の候補者を擁立して選挙戦を戦った。しかし、党の強固な地盤である忠清南道の知事選挙において民主党安熙正候補に敗北、大田広域市長選挙のみの勝利に留まるなど、先進党にとっては厳しい選挙結果となった。この結果を受け李代表は6月8日、敗北の責任を取って党代表を辞任することを表明[9]したが、「世宗市建設計画の国会採決を控えている状況下で、代表職を空席にしておくわけにはいかない」として6月17日に党務に復帰することを表明した[10]

2011年8月31日、先進党は国民連と9月末までに統合し、沈大平国民連代表が統合新党の代表を務めることで国民連と合意[11]。また未来希望連帯と連携して共同で院内交渉団体を構成する案も浮上した。10月10日、先進党と国民連の統合作業が完了し、統合政党としての「自由先進党」が発足した。そして代表には国民連代表であった沈大平が推戴された[12]

19代総選挙での敗北

2012年4月11日に行われる第19代総選挙を前に、党所属議員の離党及び12月16日に結成された民主統合党への入党が相次いでいることに関連し、沈代表は1月4日に行われた新聞社インタビューで「脱党は忠清を揺さぶる民主統合党の工作である」と民主統合党を批判した[13]

選挙では、与党セヌリ党と最大野党である民主統合党との争いに埋没、地盤とする忠清道でもセヌリ党に議席を奪われ、選挙前議席(14議席)を半分以上も下回る5議席を得るに留まった。自身も落選した沈代表は投票日翌日の4月12日、選挙で先進党が惨敗した責任を取り、党代表を辞任することを表明した[14]。4月16日、党指導部と中央党職者は一括辞任し、非常対策委員会体制へと移行することを決定し、委員長には李仁済が就任した。また5月中に全党大会を開催して新代表を選出することも併せて決められた[15]

党名改称

5月22日に行われた非常対策委員会の全体会議で、新しい党名を「先進統一党」(略称:統一党)とすることを決定した[16]5月29日に開催された全党大会で党憲・党規改正案が承認され、正式に党名を「先進統一党」に改称し、初代代表に李仁済を選出した。しかし全大前の5月20日、党の有力者である李会昌前代表が先進党を離党[17]したことで忠清道地域における地位の低下を指摘する声もあった[18]

8月30日、統一党所属国会議員1名と兪漢植世宗特別自治市市長が、同党からの離党とセヌリ党への入党を公式宣言した。これにより統一党の国会議員は5名から4名に減少することになった[19]

12月19日に行われる第18代大統領選挙を前にした10月25日、セヌリ党との合併を公式宣言した[20]。合併はセヌリ党が統一党を吸収合併する形で行われ、10月30日の党務会議で合併案を正式決定、11月16日中央選挙管理委員会への申告によって合併手続きは全て完了し、4年余りの歴史に幕を閉じた[21][22]

党指導部

代表
대표
李仁済(이인제)
院内代表
원내대표
ソン・ワンジュ(성완종)
最高委員
최고위원
キム・ヨンジュ(김영주)
ソン・ジョンファン(송종환)
パク・サンドン(박상돈)
ホン・ピョグン(홍표근)
ホ・スン(허 증)

出典:구성원(構成員)”. 先進統一党. 2012年10月26日閲覧。

政策

政綱・政策

第1条:法秩序の確立
第2条:小さな政府
第3条:画期的分権
第4条:果敢な開放
第5条:公教育革新
第6条:親環境社会
第7条:持続可能な福祉
第8条:共同体を通じた信頼構築
第9条:南北関係再確立
第10条:韓·米同盟と外交チャンネル

出典:公式ホームページの“HOME > 자유선진당소개(自由先進党紹介)>당헌(党憲)·당규(党規)”

年表

  • 2007年
    • 12月9日.李會昌氏、テレビ演説で新党結成を表明
  • 2008年
    • 1月10日.自由新党(仮称)設立発起人大会
    • 2月1日.自由先進党、正式に結成
    • 2月12日.国民中心党との合併を宣言
    • 4月9日第18代総選挙、忠清南道地域を中心に18議席(地域区14議席/比例区4議席)を獲得[23]
    • 5月23日.創造韓国党と共同で院内交渉団体を構成することで合意[24]
    • 8月6日.創造韓国党との共同院内交渉団体「先進と創造の集まり」(先進18名+創造韓国2名、計20名)正式に結成[25]
    • 10月29日.地方自治体首長・議員の再補選。先進党、地盤である忠清南道を中心に、基礎団体長1名、基礎団体議会議員2名が当選[26]
  • 2009年
    • 8月31日:沈太平代表が先進党離党を表明、翌9月1日に交渉団体「先進と創造の集まり」からの脱退届けを国会事務所に提出。「先進と創造の集まり」は院内交渉団体の資格を失うことになった。
  • 2010年
    • 6月2日:第5回全国同時地方選挙。広域自治団体長選挙は大田広域市の1名、広域議会選挙地域区は38名が當選、など合計で172名の当選にとどまる。
    • 6月8日:李会昌代表、党代表辞任を表明。
    • 6月17日:李代表、党務への復帰を表明。
  • 2011年 
    • 5月9日:李代表、党代表を退く意思を表明[27]
    • 8月31日:先進党と国民連が統合することで合意。
    • 10月10日:先進党と国民連の統合作業完了、自由先進党の代表に沈大平が選出
  • 2012年
    • 4月11日:第19代総選挙。地盤の忠清道で敗北するなど5議席の獲得に留まる。
    • 4月12日:沈大平代表、総選挙惨敗の責任を取って代表辞任を表明。
    • 4月16日:党指導部と中央党職者が一括辞任。李仁済を委員長とする非常対策委員会体制に移行。
    • 5月20日:李会昌前代表、全党大会前に先進党を離党する意思を表明。
    • 5月22日:非常対策委員会の全体会議で、新しい党名を「先進統一党」(統一党)とすることを決定。
    • 5月29日:全党大会。党名を「先進統一党」に改称、初代代表に李仁済を選出。
    • 8月30日:李ミョンス議員と兪漢植世宗特別自治市市長が離党。セヌリ党への入党を表明。
    • 10月25日:セヌリ党との合併を公式宣言。
    • 10月30日:党務会議で合併案を正式決定
    • 11月16日:セヌリ党と正式に合併。

選挙における成績

国会議員選挙
年月日 総選挙 議席数 得票率
(比例代表)
合計 地域区 比例
代表
2008年4月9日 第18代総選挙 18 14 4 6.84%
2012年4月11日 第19代総選挙  5 3 2 3.23%

脚注

  1. ^ 2011年10月10日に合流。
  2. ^ 李會昌氏、新党名「自由新党」に」、朝鮮日報サイト(日本語)2008年1月9日
  3. ^ 李会昌氏、新党名「自由先進党」に変更」朝鮮日報サイト(日本語)2008年1月28日
  4. ^ 先進党と創造韓国党、政党連帯で院内交渉団体構成へ【ソウル23日聯合】」-聯合ニュース(2008年5月23日)
  5. ^ 自由先進党と創造韓国党、共同院内交渉団体を構成」-聯合ニュース(2008年8月6日)
  6. ^ 9月1日付innolife.net 先進と創造の集まり、交渉団体地位喪失
  7. ^ “第2野党の連立代表が離党宣言、「李会昌氏と一緒にできない」と批判”. 東亜日報. (2009年8月31日). http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=050000&biid=2009083105018 
  8. ^ 심대평, 오늘국민중심연합창당 (沈大平、今日‘国民中心連合’創党)ハンギョレ
  9. ^ “自由先進党の李会昌代表が辞意表明 選挙敗北で引責”. KBSワールドラジオ. (2010年6月8日). http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=36918&id=Po  {{cite news}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  10. ^ “野党自由先進党の李会昌代表 党務に復帰”. KBSワールドラジオ. (2010年6月17日). http://rki.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=36998&id=Po&page=1 
  11. ^ 自由先進党と国民中心連合が統合、代表に沈大平氏。朝鮮日報2011年9月1日(無料公開期限は記事配信から1週間)
  12. ^ 자유선진당-국민중심연합, 통합작업 마무리(自由先進党-国民中心連合、統合作業仕上げ).YTN2011年10月10日17時42分
  13. ^ “심대평 대표 "탈당은 충청 흔드는 민주당 공작" (沈大平代表“脱党は忠清を揺さぶる民主党の工作”)”. 毎日経済新聞. (2012年1月4日). http://news.mk.co.kr/v3/view.php?sc=30000001&cm=%ED%97%A4%EB%93%9C%EB%9D%BC%EC%9D%B8&year=2012&no=9248&selFlag=&relatedcode=&wonNo=&sID=302 2012年1月5日閲覧。  {{cite news}}: |accessdate=|date=の日付が不正です。 (説明)
  14. ^ “심대평, 선진당 대표직 사퇴…“총선 패배 책임”(沈大平、先進党代表職辞退・・・“総選惨敗責任”)”. 東亜日報(本国版). (2012年4月12日). http://news.donga.com/vote0411/ListParty_3/3/00063400020003/20120412/45473712/1 2012年4月14日閲覧。 
  15. ^ “선진당 지도부 사퇴..이인제 비대위원장 체제로(先進党指導部辞退・・李仁済非対委員長体制へ)”. 聯合ニュース. (2012年4月16日). http://www.yonhapnews.co.kr/chongsun/2012/04/16/4701200000AKR20120416083700001.HTML 2012年4月18日閲覧。 
  16. ^ “自由先進党 新しい党名は「先進統一党」”. KBSワールドラジオ. (2012年5月24日). http://rki.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=43797&id=Po&page=1 2012年5月24日閲覧。 
  17. ^ “이회창, 자유선진당 탈당(李会昌、自由先進党脱党)”. 聯合ニュース(本国版). (2012年5月20日). http://www.yonhapnews.co.kr/chongsun/2012/05/20/4701200000AKR20120520022000001.HTML 2012年5月24日閲覧。 
  18. ^ “통일당 초대 대표에 이인제..험로 예고(統一党初代代表に李仁済。。険路予告)”. 聯合ニュース. (2012年5月29日). http://www.yonhapnews.co.kr/chongsun/2012/05/29/4701200000AKR20120529109400001.HTML 2012年5月29日閲覧。 
  19. ^ “이명수ㆍ유한식, 새누리 입당 공식선언”. 聯合ニュース(本国版). (2012年8月30日). http://app.yonhapnews.co.kr/YNA/Basic/article/new_search/YIBW_showSearchArticle_New.aspx?searchpart=article&searchtext=%ec%84%a0%ec%a7%84%ed%86%b5%ec%9d%bc%eb%8b%b9&contents_id=AKR20120830162151001 2012年9月6日閲覧。  {{cite news}}: |accessdate=の日付が不正です。 (説明)
  20. ^ “セヌリ党と先進統一党 合併を公式宣言”. KBSワールドラジオ. (2012年10月26日). http://rki.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=45753 2012年10月26日閲覧。 
  21. ^ “김태흠 의원 "새누리-선진당 합당 16일 마무리"(キム・デフン議員“セヌリ-先進党合党16日締めくくり”)”. 聯合ニュース(本国版). (2012年11月15日). http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2012/11/15/0502000000AKR20121115130100063.HTML 2012年11月16日閲覧。 
  22. ^ “새누리당-선진당 합당 완료, 이인제 공동선대위원장 임명(セヌリ党-先進党合党完了、李仁済共同選対委員長に任命)”. 朝鮮日報(本国版). (2012年11月16日). http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/11/16/2012111601173.html 2012年11月16日閲覧。 
  23. ^ 第18代総選挙、与党ハンナラ党が過半数確保に成功」.聯合ニュース(4月10日付)
  24. ^ 先進党と創造韓国党、院内交渉団体構成に暫定合意【ソウル23日聯合】-聯合ニュース(2008年5月23日)
  25. ^ 自由先進党と創造韓国党、共同院内交渉団体を構成-聯合ニュース(2008年8月6日
  26. ^ 民心測る再補欠選挙、ハンナラ・先進党が票田で勝利-聯合ニュース(2008年10月30日
  27. ^ 李会昌自由先進党代表が辞意表明KBSワールドラジオ2011年5月9日14時20分入力

関連項目


先進統一党

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大韓民国第19代国会議員一覧」の記事における「先進統一党」の解説

^ a b c d 自由先進党初登院前の2012年5月29日、先進統一党に改名

※この「先進統一党」の解説は、「大韓民国第19代国会議員一覧」の解説の一部です。
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