傷害の程度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 10:04 UTC 版)
一口に隻腕といっても、肩離断、上腕切断、肘離断、前腕切断などの形態があり、肩に近づけばそれだけ行動は制限される。たとえば、前腕切断なら鞄を腕に引っ掛けて持つことは可能だし、書き物をする際にも肘で紙を押さえることが可能である。これが、上腕切断になれば鞄を腕に引っ掛けることも、書き物の時に紙を押さえることもできなくなるし、肩離断や肩甲胸郭離断になってしまうと腕の機能は殆ど失われてしまう。そのため、健康な時はフォークリフトの運転・あるいは力仕事をしていた労働者は事務職ないし車の誘導といった仕事に回されることもある。 また、腕を失った場合、存在しないはずの腕の存在を感じる幻肢といった症状を訴える者もいる。場合によっては、幻肢痛といった痛みを伴うことすらあるが、原因は不明である。もっとも、幻肢がある場合、この感覚を利用して義肢の装着からリハビリを行うといった方法もあり、幻肢がある場合とない場合ではその後の経過が全く違うとも言われる。 傷害の回復には義肢が使われることがある。かなりの高性能を誇る筋電義手などがあるが、価格が高価であり一般向けではない。また、二本なければ歩行できない足と違って、腕はもう片方で代用できる場合が多いことに加え、義足の場合は重さを地面で支えることができるのに対し、義手はその重さを自身で支えなければならないため負担が大きく、性能よりむしろ外観の回復と、軽量さを追求されることが多い。
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