保型形式と数論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 08:17 UTC 版)
詳細は「保型形式」を参照 保型形式は、モジュラ形式の多変数の解析函数への一般化であり、解析函数は通常、多変数であり、同じような変換性質を持っている。この一般化は、モジュラ群 PSL2 (R) と半単純リー群 G による合同部分群(英語版)(congruence subgroup)や離散部分群(discrete subgroup) Γ を置き換える。まさにモジュラ形式が上半平面の商 H = PSL2 (R)/SO(2) の上の微分形式とみなすことができるように、保型形式は Γ ∖ G / K {\displaystyle \Gamma \backslash G/K} 上の微分形式とみなすことができる。ここに K は典型的な G の最大コンパクト部分群(英語版)(maximal compact subgroup)である。しかし、注意深くみると、商空間は特異点を持っている。半単純なリー群のコンパクト群による商は、対称空間(英語版)(symmetric space)であり、したがって保型形式の理論は対称空間上の調和解析と密接に関係する。 一般論が発達する以前、ヒルベルトモジュラ形式(英語版)(Hilbert modular form)やジーゲルモジュラ形式(英語版)(Siegel modular form)などの多くの重要な場合が詳細に研究された。この理論の重要な結果として、セルバーグ跡公式と、ロバート・ラングランズによるリーマン・ロッホの定理が保型形式の空間の次元の計算に適用されたことが上げられる。「保型表現」の考え方は、G が代数群の場合に、アデール的代数群として扱うことで、重要な値を求めることができることを証明した。完全に哲学的な結論として、ラングランズ・プログラムは、表現論と保型形式の数論的性質の間の関係を発展させた。
※この「保型形式と数論」の解説は、「表現論」の解説の一部です。
「保型形式と数論」を含む「表現論」の記事については、「表現論」の概要を参照ください。
- 保型形式と数論のページへのリンク