俗信という語の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 00:55 UTC 版)
「俗信」という熟語は、『大漢和辞典』(諸橋轍次)に記載が無く、中国では使用が確認できず、鈴木棠三は、「俗間信仰」などの縮約であり、近代の造語と見る(後述書 p.25)。「民間」信仰ではなく、「俗間」なのは、江戸時代に「俗神道」などの語があることから、俗信という語感が受け入れられたのではないかとし(後述書 p.25)、少なくとも大正2年に創刊された雑誌『郷土研究』に掲載された南方熊楠の「紀州俗伝」に倣ったものと見られ、この中に今でいう俗信の意も含まれているとされる(後述書 pp.25 - 26)。同誌の第一巻十号に掲載された「俗信雑記」が俗信という語の最初見とされる(後述書 p.29)。同稿筆者の桜井秀は風俗史研究家で民俗学者ではなかった(鈴木棠三 『日本俗信辞典 動物編』 角川ソフィア文庫 2020年 p.29.)。従って、俗信という表記使用例の最初は民俗学論ではなかった。
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