例:2次元ラプラス問題とは? わかりやすく解説

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例:2次元ラプラス問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 10:04 UTC 版)

境界要素法」の記事における「例:2次元ラプラス問題」の解説

ラプラス問題は、支配方程式: ∇ 2 u = ∂ 2 ux 1 2 ( x ) + ∂ 2 ux 2 2 ( x ) = 0 , ( x ∈ Ω ) {\displaystyle \nabla ^{2}u={\frac {\partial ^{2}u}{\partial x_{1}^{2}}}({\boldsymbol {x}})+{\frac {\partial ^{2}u}{\partial x_{2}^{2}}}({\boldsymbol {x}})=0,\quad \quad ({\boldsymbol {x}}\in \Omega )} と、境界条件: u ( x ) = u ¯ ( x ) , ( x   o n   Γ u ) , q ( x ) = ∂ u ∂ n ( x ) = q ¯ ( x ) , ( x   o n   Γ q ) , {\displaystyle {\begin{aligned}u({\boldsymbol {x}})&={\bar {u}}({\boldsymbol {x}}),\quad ({\boldsymbol {x}}\ \mathrm {on} \ \Gamma _{u}),\\q({\boldsymbol {x}})&={\frac {\partial u}{\partial n}}({\boldsymbol {x}})={\bar {q}}({\boldsymbol {x}}),\quad ({\boldsymbol {x}}\ \mathrm {on} \ \Gamma _{q}),\end{aligned}}} とを同時に満たす解(ポテンシャル)u を求め問題である。ここで、Ωは領域であり、領域境界Γは、ポテンシャルu が規定されている境界Γu と、フラックス q = ∂ u / ∂ n {\displaystyle q=\partial u/\partial n} が規定されている境界Γq からなり、 Γ u ∪ Γ q = Γ , Γ u ∩ Γ q = ∅ {\displaystyle \Gamma _{u}\cup \Gamma _{q}=\Gamma ,\Gamma _{u}\cap \Gamma _{q}=\emptyset } であるものとするまた、n は境界での外向き法線方向を示す。 上で示した支配方程式関数u* とをかけ合わせてΩに関する領域積分考えると、u が真のであれば支配方程式満足するため、これを含む項を積分しても0となる。 ∫ Ω ( ∂ 2 ux 1 2 ( x ) + ∂ 2 ux 2 2 ( x ) ) u ∗ ( x ) d Ω = 0 {\displaystyle \int _{\Omega }\left({\frac {\partial ^{2}u}{\partial x_{1}^{2}}}({\boldsymbol {x}})+{\frac {\partial ^{2}u}{\partial x_{2}^{2}}}({\boldsymbol {x}})\right)u^{*}({\boldsymbol {x}})d\Omega =0} この恒等式を2回部積分すると、 q ∗ = ∂ u ∗ / ∂ n {\displaystyle q^{*}=\partial u^{*}/\partial n} として、 ∫ Γ q ( x ) u ∗ ( x ) d Γ x − ∫ Γ u ( x ) q ∗ ( x ) d Γ x + ∫ Ω u ( x ) ( ∂ 2 u ∗ ∂ x 1 2 ( x ) + ∂ 2 u ∗ ∂ x 2 2 ( x ) ) d Ω x = 0 , {\displaystyle \int _{\Gamma }q({\boldsymbol {x}})u^{*}({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}-\int _{\Gamma }u({\boldsymbol {x}})q^{*}({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}+\int _{\Omega }u({\boldsymbol {x}})\left({\frac {\partial ^{2}u^{*}}{\partial x_{1}^{2}}}({\boldsymbol {x}})+{\frac {\partial ^{2}u^{*}}{\partial x_{2}^{2}}}({\boldsymbol {x}})\right)d\Omega _{x}=0,} を得る。なお、下添字 x は点x に関する積分であることを表している。 得られた式を見ると、領域積分1つだけ残っている。これを消し去るために、関数u* は次式を満足するように与える。 ∂ 2 u ∗ ∂ x 1 2 ( x ; ξ ) + ∂ 2 u ∗ ∂ x 2 2 ( x ; ξ ) + δ ( x − ξ ) = 0 , {\displaystyle {\frac {\partial ^{2}u^{*}}{\partial x_{1}^{2}}}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})+{\frac {\partial ^{2}u^{*}}{\partial x_{2}^{2}}}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})+\delta ({\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {\xi }})=0,} この関数u* は基本解呼ばれており、ラプラス問題では、 r = | x − ξ | {\displaystyle r=|{\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {\xi }}|} (2点間の距離)として、 u ∗ ( x ; ξ ) = − 1 2 π ln ⁡ r , {\displaystyle u^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})=-{\frac {1}{2\pi }}\ln r,} で与えられる。u* は、空間内の点ξに大きさ 1 の単位わきだしがあったときの、点x で観測されるポテンシャル値を与え関数、と解釈することができる。そのため、 ξ {\displaystyle {\boldsymbol {\xi }}} はソース点、 x {\displaystyle {\boldsymbol {x}}} は観測点呼ばれる。 この定義式上の積分方程式代入すると、 u ( ξ ) = ∫ Γ u ∗ ( x ; ξ ) q ( x ) d Γ x − ∫ Γ q ∗ ( x ; ξ ) u ( x ) d Γ x , ( ξ ∈ Ω ) {\displaystyle u({\boldsymbol {\xi }})=\int _{\Gamma }u^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})q({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}-\int _{\Gamma }q^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})u({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x},\quad ({\boldsymbol {\xi }}\in \Omega )} を得る。この式は、境界上のポテンシャルフラックス分布得られている時に領域内部の点x におけるポテンシャル値を計算する際に用いることができる。ラプラス問題や静弾性問題などでは、観測されるポテンシャル値に及ぼす境界上の解の変動影響は距離が離れると共に小さくなるため、境界要素法によると内部の点でのポテンシャル値は精度よく計算できる考えられている。 次に、この積分方程式において、ポテンシャル値を評価する点ξを領域内部から境界上の点に移動させる基本解u* ,q* は r = 0関数値無限大発散するため、点ξの境界上への移動は、境界積分有限確定値となるように注意しながら、極限の意味考え必要があるその結果先に示した積分方程式は、極限操作によって次のうになる。 c ( ξ ) u ( ξ ) + ∫ Γ q ∗ ( x ; ξ ) u ( x ) d Γ x − ∫ Γ u ∗ ( x ; ξ ) q ( x ) d Γ x = 0 , ( ξ , x ∈ Γ ) {\displaystyle c({\boldsymbol {\xi }})u({\boldsymbol {\xi }})+\int _{\Gamma }q^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})u({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}-\int _{\Gamma }u^{*}({\boldsymbol {x}};{\boldsymbol {\xi }})q({\boldsymbol {x}})d\Gamma _{x}=0,\quad \quad ({\boldsymbol {\xi }},{\boldsymbol {x}}\in \Gamma )} ここで、c (ξ) は、点ξの境界形状から決まる定数で、境界滑らであれば 1/2、かど点であれば当該点での内角大きさから与えられる。この式が境界積分方程式 (Boundary Integral Equation) であり,境界要素法離散化出発点となる重要な方程式である。

※この「例:2次元ラプラス問題」の解説は、「境界要素法」の解説の一部です。
「例:2次元ラプラス問題」を含む「境界要素法」の記事については、「境界要素法」の概要を参照ください。

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