使用者の印象の差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 08:52 UTC 版)
前掲の「莫名其妙(mò míng qí miào)」「乱七八糟(luàn qī bā zāo)」などは、中国語圏において使用頻度の高い成語であるが、前者は「ちんぷんかんぷん」、後者は「ごたごた」くらいのニュアンスでしか用いられない。これは四字熟語の薀蓄が、一つの教養であるとみなされる日本と対照的である。日本では、ときに「中国三千年の文化の結晶」や「人類の叡智、深遠な意義」などと四字熟語の高雅さを強調することすらある。これに対して、中国語圏における成語は、もっと卑近なものであり、ときに陳腐なものでさえあるという。 例えば、人物が列をなして建物に入っていく様子を表すときに「魚貫而入(拼音: yú guàn ér rù)」 という成句を用いる。これは、人物を魚に喩えて文章に面白みを与えることが最小限の字数で可能になる一方で、表現として陳腐な印象を持たせてしまう。だから中国において、プロの著述家の場合、このような成語を用いることを避け、もう少し表現を工夫するという。これは、日本におけるプロの著述家が同様のことを表現するのに「金魚の糞のような列をなして……」という陳腐な表現を避けるのと似ている。原文では「金魚のウンコ」とある。
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