作風・題材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 19:09 UTC 版)
「パトリック・グランヴィル」の記事における「作風・題材」の解説
上述のように、グランヴィルは2年に一度のペースで長編小説を発表し、雑誌掲載のものを除いて、短編や詩、随筆などは書物として発表していないが、芸術、特に絵画に造詣が深く、作品の題材として扱うほか、エゴン・シーレ、フェリックス・ヴァロットン、および現在フランスで活躍している画家について主に共同で解説書を書いている。 作品の題材としては、『画家のアトリエ』(1988年)でヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』、『狂人たちの海崖』(2018年)では故郷ノルマンディーの港町を舞台にクロード・モネらの印象派の画家を扱っている。また、2010年発表の『蛸の接吻』は、北斎の春画『蛸と海女』(フランス語の画題「漁師の妻の夢(Le Rêve de la femme du pêcheur)」)に着想を得た性愛小説である。エロティシズムはグランヴィルの作品に一貫する重要なテーマであり(『蛸の接吻』のほか、たとえば1986年刊行の『嵐の天国』、2014年刊行の『水牛』)、上述の『火炎樹』に代表される、言葉とイメージが氾濫する独自のバロック的文体、『オージー、雪』(1990年)、『傷ついた手』(2006年)に代表される自伝的要素と併せて、これらが複雑に絡み合った叙事詩的、幻想的、あるいはラブレー的な世界を創り出している。
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