低迷脱出、売り上げ額増加へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 17:32 UTC 版)
売り上げが右肩下がりを続けていた競輪にとって、特にミッドナイト競輪、モーニング競輪は開始以降、対前年度比で高い伸びを示すほど好調が続いており、救世主とも呼べる存在となった。それらの好調で競輪の売り上げ額は2014年度以降、僅かながらではあるが連続して増収基調が続いており、2017年度も対前年度比で100.9%と4年連続で増加となった。また2018年度も車券売上高は対前年度比102.2%となり、本場発売や場外発売が苦戦する中で売り上げは5年連続増加となった。加えてインターネット投票が追い風となり、2018年度は広島競輪場では10年ぶりに3億円を広島市の一般会計に入れたほか、玉野競輪場でも前年度の2倍となる4億円を玉野市の一般会計に充当した。2019年度も、後述の通り2020年2月末以降は全ての開催が無観客となる中で、年間を通じての売り上げ額は6604億6055万5100円で前年度比101.0%(うち重勝式売上高は29億1393万4600円で、前年度比105.7%)となり、6年連続の増加となった。 賞金についても、この売り上げ額の増加を受けて、2019年10月以降の全てのレースで増額されており、年末のKEIRINグランプリでは2019年大会で優勝賞金1億340万円(副賞込み)と過去最高になった。 ただ、実際はレース単位で見るとビッグレースでも売り上げ額は減少傾向にあり、GIでさえも売り上げ額ワーストを更新することが増えてきている。実際に、2018年度の全国の本場入場者数は250万5,291人で、対前年度比92.4%と減少した。また、1日平均売り上げ額は2億9,007万4,100円(同98.7%)、場外売り上げ額は3,214億6,418万4,700円(同94.2%)、本場売り上げ額は263億3,762万4,800円(同90.4%)であり、通常開催では今もなお売り上げの減少が続いている。グレードレース別で見ても、GIは競輪祭が6日間開催となったため売り上げ額は対前年度比101.4%となったが一日平均では同94.4%と減少であり、GIIの売り上げ額は対前年度比95.7%(一日平均同95.7%)、GIIIも売り上げ額は対前年度比96.3%(一日平均同92.0%)であった。2019年度も、1日平均売り上げ額、本場での1日平均入場者数・売り上げ額、場外売り上げ額はいずれも対前年度比で減少となっており、開催日数を増やすことで売り上げ額を増加させているのであって、楽観視はできない状況にある。 これらを表すように、2019年度は黎明期を除いて70年以上に渡って上回っていた地方競馬(7010億円、前年度比115%)の売り上げを下回り、競輪の苦境を表す象徴的な年となってしまった。同様に、KEIRINグランプリ(52億円、前年比100.2%)の売り上げも、史上初めて東京大賞典(56億円、前年比121%)を下回った。公営競技全体の売り上げに対しても、1965年に55%、2000年度でも18%を占めていたが、2019年度には11%程度まで落ち込んでいる。
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