伝道活動と自覚的な回心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/03 05:00 UTC 版)
「第一次大覚醒」の記事における「伝道活動と自覚的な回心」の解説
第一次大覚醒の主役となるのが、ジョナサン・エドワーズやジョージ・ホウィットフィールドといった牧師、伝道者達であった。ホウィットフィールドに代表される当時の伝道活動は、神学論に基づく高度な説教を排して、神学の素養がないものでもわかりやすく平易な説教を行った。彼らの説教は、それまでの説教において必須であった神学的な厳密性には乏しくとも、聴衆を「熱狂」させ、「自覚的な回心」を与えることで支持を高めた。例えば、エドワーズの有名な説教『怒れる神の御手の中にある罪人』は聞き手の心情に訴えかけるという点で、それまでの知的だが退屈な説教とは一線を画した。この説教を聞いた聴衆は、回心が認められない不安感や恐怖心から泣き叫んだり、激しい痙攣を起こし、こうした情動をもって自覚的な回心の証とした。 彼らの説教は単純に内容がわかりやすいだけではなく、純粋に演説としても優れていた。エドワーズの説教は「厳粛で、独自で慎重な発音、ゆっくりとしたリズム」であったと言われ、聴衆を魅了した。対するホウィットフィールドはより激情的な声振りで、聴衆の感情を揺さぶった。また、後述するように旧来の牧師達から批判を受けた彼らは、一般的な説教の場であった教会から締め出されたために広場などを主要な説教の場とした。時には教会での説教よりもはるかに多い聴衆を前にして、広場全体に響き渡る声量を持って説教を行い、集団的な回心を引き起こした。 もう1つ重要なことは、回心を重要視する伝統的なプロテスタントにあっても回心は生涯に1度しかないという立場を崩した点が上げられる。彼らの説教によって自覚的な回心を得たのは、未だに回心が認められていないものだけではなく、既に公的に回心が認められている者でさえ、再度自覚的に回心を認識させた。このように第一次が主に相手にしたのは、既に教会に所属していた信徒であり、個人に信仰の熱を取り戻させたという点にもリバイバルが果たした功績がある。
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