伝説の成長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/29 23:58 UTC 版)
この伝説は久しく伝えられる間に少しずつ変化したものであろう事が指摘されており、『裏見寒話』の後にも、明治20年前後(19世紀末)に編纂された『山梨県町村誌』には猿橋の噂の禁忌を犯せば怪異が起こるという点はそのままであるが、謡曲が『葵上』から『野宮(ののみや)』へと変化している(2曲とも『源氏物語』の六条御息所の妬みを題材とする点は共通する)。 更に明治末年から大正初年(1910年頃)にかけて編まれた『甲斐口碑伝説』になると、ある人が大橋を渡る際に試しにわざと『野宮』の小謡を謡ったところ、橋からやや隔たった所で乳飲み子を抱いた婦人に行き会い、その婦人から足袋のこはぜを掛け直す間子供を抱いて欲しいと頼まれたので、子を抱く代わりにこはぜを掛け直してあげようと身を屈めながらふと婦人を見上げると恐ろしい鬼女の姿に変じていたためにあわてて逃げ帰ったと、産女の説話要素が付加されている。
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