代数系の射影極限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:11 UTC 版)
まず群と準同型からなる逆系 (inverse system) あるいは射影系 (projective system) と呼ばれるものの定義から始める。(I, ≤) を有向半順序集合とする(I が有向集合であることを課さない文献もある)。群の族 (Ai)i∈I と準同型の族 fij: Aj → Ai (i ≤ j) で以下の性質、 fii は Ai における恒等写像、 fik = fij ∘ fjk (i ≤ j ≤ k) を満たすものが与えられたとき、対 ((Ai)i∈I, (fij)i≤ j∈I) を群と準同型の成す I 上の逆系と呼び、各射 fij はこの系の遷移射 (transition morphisms) と呼ぶ。 逆系 ((Ai)i∈I, (fij)i≤ j∈I) の逆極限(射影極限)は Ai たちの直積の特定の部分群 A = lim ← i ∈ I A i = { a = ( a i ) i ∈ I ∈ ∏ i ∈ I A i ∣ a i = f i j ( a j ) for all i ≤ j in I } {\displaystyle A=\varprojlim _{i\in I}A_{i}=\left\{\mathbf {a} =(a_{i})_{i\in I}\in \prod _{i\in I}A_{i}\mid a_{i}=f_{ij}(a_{j}){\text{ for all }}i\leq j{\text{ in }}I\right\}} として定義される。この射影極限 A は(I の各 i に対して直積の i-成分を取り出すという)自然な射影 πi: A → Ai を備えている。射影極限と自然な射影は、次節に述べる普遍性を満足する。 これと同じ構成法は、Ai たちが集合や環あるいは(適当に固定した環上の)加群、多元環などの場合にも、それぞれの意味での準同型を射として行うことができて、得られる逆極限はそれぞれの圏に属する対象となる。
※この「代数系の射影極限」の解説は、「射影極限」の解説の一部です。
「代数系の射影極限」を含む「射影極限」の記事については、「射影極限」の概要を参照ください。
- 代数系の射影極限のページへのリンク