他の重要な作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/19 23:54 UTC 版)
《位相-スポンジ》は白い円筒状のスポンジの上に鉄板を乗せた、鉄板の重さによるスポンジの変化を見せる作品である。見る者は、形状が変化しても構造は変わらないこと、鉄板を外せば元のかたちにもどることを理解する。李禹煥はこの作品について下記のように述べている。「原始人であれば、ドルメンのように岩にただ岩を積み重ねるだけでよかったのかもしれない。今日という産業社会においては、それが円筒のスポンジに鉄板ということで、より自然な様相感をおぼえる」。 1969年の東京画廊での初個展では、巨大な油土の塊をそのままの状態で配置した《位相-油土》を出品する。観客は油土に触れ、その形を変えることができる。彫られたものかどうかに関わらず圧倒的な物体の前で「彫刻」とは一時的な存在にすぎないことを本作品では暗示している。 本作品についてキュレーター、サイモン・グルームはこう語っている。 「あるがままの状態で存在する巨大な土の塊は、その圧倒的な物理的存在と、触りたいという我々の欲求の、絶え間ない緊張感のなかに存在している。 なぜ触れたいかというと、精神的に油土が無数の可能性を示唆するからかもしれないし、あるいは物理的に変形する素材の触覚自身に惹かれるからかもしれない」 《空相-水》(1969年)は、水をなみなみと注いだ二つの容器から構成される作品である。容器のひとつは高さ110cmの円筒状、もう一つは高さ30cmの直方体。 容器の外側が黒く塗られているために肉眼ではわからないが、表面に触れることでさざ波が立ち、鑑賞者は中身が水であることに気づく。
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