他の作曲家への影響
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「月に憑かれたピエロ」の記事における「他の作曲家への影響」の解説
ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーは、『火の鳥』『ペトルーシュカ』の公演のため1912年にベルリンを訪れており、ここで『月に憑かれたピエロ』の演奏を耳にした。ストラヴィンスキーは同作品について、「ビアズリー崇拝の過ぎ去った回帰のように思われた同作品の美学的性格にはなんら感激しなかった」と述べる一方、個性的な楽器の使い方を「成功」と認め、これをヒントに、室内楽伴奏(フルート2、クラリネット2、ピアノ、弦楽四重奏)による歌曲『3つの日本の抒情詩』を書き上げた。 ストラヴィンスキーは、1913年の3月から4月にかけてフランスの作曲家モーリス・ラヴェルと共同の仕事に取り組んだ際、ラヴェルに『3つの日本の抒情詩』を紹介し、これが『月に憑かれたピエロ』から着想して作曲したことを説明した。ラヴェルもまた「室内アンサンブルによる独唱曲」という編成に興味を示し、フルート2、クラリネット2、ピアノ、弦楽四重奏伴奏による『ステファヌ・マラルメの3つの詩(フランス語版)』を作曲した。 ピエール・ブーレーズは、『軌道-ラヴェル、ストラヴィンスキー、シェーンベルク』(1949年)において、『月に憑かれたピエロ』『日本の抒情詩』『マラルメの3つの歌』を比較し論じている。また、ブーレーズの作品『ル・マルトー・サン・メートル(主なき槌)』も「室内楽伴奏による歌曲」であり、『月に憑かれたピエロ』の影響を受けている。
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