他のヒトの疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 07:14 UTC 版)
テロメラーゼおよびその触媒サブユニットTERTは、ガン・早老症以外の疾患との関係も調べられている。 TERTと関係すると考えられている疾患としては、再生不良性貧血、猫鳴き症候群 (Cri du chat Syndrome,CdCS) がある。CdCSは、5番染色体短腕(5p)の末端部分の欠損を含んでいる複雑な障害である。TERTは5p領域(染色体上の位置 5p15)にあり、TERTの欠損はCdCSの原因または関与要因として示唆されてきた。 先天性角化異常症 (dyskeratosis congenita, DCまたはDKC) は、テロメラーゼ活性と関連する骨髄の疾患である。症例の35%はX染色体連鎖(伴性遺伝)の劣性遺伝子疾患であり、5%は常染色体性の優性遺伝子疾患、残り60%は原因不明である。X連鎖劣性の場合はジスケリン(染色体上の位置 Xq28)、常染色体性優性の場合はTERC(染色体上の位置 3q26.2)またはTERTの変異が原因となっている。DC患者は、いろいろな他の徴候だけでなく、異常な網状皮膚色素沈着、白板症(口腔粘膜の白い肥厚)と爪の発育異常として現れるひどい骨髄不全を示す。X連鎖または常染色体性どちらのDC患者でも、同じ年齢のほかの人よりも短いテロメアと欠陥のあるテロメラーゼ活性を示す。常染色体優性DCの患者家系の一つでは、世代が進むにつれ、テロメア短縮の率の増加および発症する年齢の低下現象(表現促進)、すなわち各々の世代での悪化が見られる例も存在する。
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