人体や環境への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 03:57 UTC 版)
「ナノテクノロジー」の記事における「人体や環境への影響」の解説
最近開発されたナノ粒子製品のいくつかが思いがけない結果を生む可能性もある。例えば、消臭靴下に使われている銀のナノ粒子が洗濯によって環境にばらまかれていることが判明し、それによって悪影響がある可能性も指摘されている。銀のナノ粒子は制菌作用があるため、廃棄物処理場や農場などの有機物の分解に役立っている菌を殺す可能性があるという。 ロチェスター大学での研究で、ネズミがナノ粒子を吸い込むと脳と肺に蓄積され、炎症やストレス反応を引き起こすことが判明した。中国の研究では、無毛マウスをナノ粒子にさらすと皮膚の老化が早まるという結果が報告されている。 UCLAでの2年間の研究によれば、ネズミのDNAが二酸化チタンのナノ粒子でダメージを受けることが示され、「ガン、心臓病、神経系疾患、老化など、人間にとっても死の危険性を増す可能性がある」とした。 「ネイチャー ナノテクノロジー」誌に掲載された研究によると、ある種のカーボンナノチューブを十分な量吸引すると石綿と同様の健康被害があるという。エジンバラの Institute of Occupational Medicine に勤める Anthony Seaton はその研究に関する記事の中で「カーボンナノチューブの一部が中皮腫を起こす可能性がある。したがって、そういった新素材は非常に慎重に扱う必要がある」と述べている。政府によるナノテクノロジー規制がない現状に対して、人工ナノ粒子を食品に用いないよう要求する声もある。塗装工場の作業員が肺に重い疾患を負い、調べてみると肺からナノ粒子が検出されたという報道もある。
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