交易港の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/06 14:10 UTC 版)
遺跡が確認できる古代の交易港としては、メソポタミアのカルム、シリアのパルミラ、ウガリト、フェニキアのシドンとティルス、古代ギリシアのエンポリウム、北ヨーロッパのヴィクなどがある。マックス・ウェーバーは、古代ギリシアにおいて外来商人を保護した者であるプロクセニー(Proxenie)について論じ、これに対応するものとして中世ヨーロッパの主人権(Wirtsrecht)をあげた。 中国では朝貢貿易によって周辺国を服属させ、明・清の時代には各地の交易港に市舶司をおいて管理交易を行なった。広州市、泉州市などがあげられる。 インド洋のシャーバンダル制度も市舶司と同様に交易港制度の一種とされる。イスラーム世界では、外来交易者と地元交易者が客人と主人の関係を結び、客人は現地社会と接触せずに主人に取引を任せる形態も存在した。内陸において交易港制度を持った都市として、キャラバン都市であるカンダハール、イスファハン、サハラ交易のトンブクトゥなどがある。 中世日本の長崎では、渡来商人と日本商人は市が立つ日以外の接触が禁じられ、ポルトガル商人は船宿の保護下におかれて内町に住み、日本商人は外町に住んだ。同様の分割は平戸、横瀬浦にも見られた。 その他、アステカとプトゥン人が交易を行ったシカランコ(英語版)、ダホメ王国が奴隷貿易に用いたウィダー、フェルナンド・ポー島、モガディシュなどが知られている。
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