事故説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:31 UTC 版)
若い王は、胸壁の前部と肋骨が欠損していることなどから、圧迫された傷のパターンから、事故が主な原因として死亡したのではないかとも言われている。 慈善家でアマチュアエジプト学者のベンソン・ハラーは、科学的なアプローチではなく、王族の中ではツタンカーメンのミイラにのみみられる、胸の上ではなく下腹部で腕を組んでいる特徴的な納棺の仕方に注目し、死因を類推した。彼によると、ツタンカーメンのミイラには不自然な点が多いという。 心臓がない。心臓はその持ち主の治世と人格の要であると考えられており、また、楽園(アアル)に行くための死後の審判を受けるために重要な臓器であるため、普通はミイラの中に必ず残されるものである。それがないということは生前に事故などによって失ったのであると主張する。 臓器を取りだすために下腹部に開けた傷跡が不自然。普通は、体の左側に腰から下腹部まで伸びるかなり長い傷をつけるが、ツタンカーメンの場合、他の例より傷が短く、へそから尻までである。 横隔膜には傷がついていないように見える。肺を除去する際、横隔膜を切開するので傷がついているはずである。 胸部の欠損の程度が異常である。折れた骨はカーターらによるものだとしても、きれいに切断されたものは古代につけられたものだろうとする。 以上により、胸部の傷が命取りであったと結論づけている。 傷を負った原因として、戦車事故とカバに襲われたという二つの説が存在する。
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