事件についての考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 05:34 UTC 版)
「SOS遭難事件」の記事における「事件についての考察」の解説
遭難の原因 旭岳の稜線部に金庫岩という大岩があって道標とされている。しかし、この岩の近くにはよく似たニセ金庫岩という大岩もあり、誤ってニセ金庫岩を目印に下山すると遭難地点付近にたどり着く。遭難地点上側の斜面は、横倒しに生育するササ原になっており、上部からは下部へ進入しやすいが、下部から上部へは登りづらいこと、さらに遭難地点の下側は崖状になっており脱出しにくい地形であることも判明。このことは、遭難が発覚した数日後、現地を訪れた報道機関の取材班が、遭難現場から脱出不可能な状態となり、救助されたことからも裏付けられた。 「SOS」の木文字 「SOS」の木文字は、大きな倒木を積み重ねて造られており、作成には2日程度の期間とかなりの労力を要したと推定された。この木文字は遭難した男性が造ったものと推測されたが、木文字を作るだけの体力が残っていながら、男性が自力での移動・脱出に至らなかった点に疑問が残った。この点については、いたずらに動き回って体力を消費するより、一箇所にとどまって救助を待つ方がよいと判断したのではないかとの推測や、上述の地形のために脱出ができなかったのではないかとの推測がなされている。また、手塚治虫の『鉄腕アトム』に、この事件と同様に、倒木をSOSの形に並べるシーンがあることが指摘された。 「SOS」が録音されたテープ 「SOS」の録音がされた理由は不明であるが、身動きが取れなくなった遭難者が、衰弱して声が出せなくなる前に、捜索隊に声が届くように録音したという推測や、このテープがレコーダーに装着されていたことから、助けを求めて動いている際に、偶然スイッチが入って録音されたという推測がされている。
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