乱用率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 16:06 UTC 版)
「ベンゾジアゼピン薬物乱用」の記事における「乱用率」の解説
薬物乱用においてベンゾジアゼピンが注目されることは少ない。しかしこれらは他の薬物らと共に頻繁に乱用されている(とりわけアルコール、覚醒剤、オピオイド)。 ベンゾジアゼピンは様々な国々において乱用されており、その要素は地域的情勢・入手可能薬物によって様々である。たとえば英国とネパールではニトラゼパム乱用が一般的であるが、米国ではそれが処方薬として入手不可能なため他のベンゾジアゼピンが乱用されている。また英国とオーストラリアではテマゼパム乱用が見られ、特にジェルカプセルを溶かして注射され薬物関連死をまねいている。このようなベンゾジアゼピンの水溶物を注射することは、大変危険であり深刻な健康被害をもたらす。 ベンゾジアゼピンは一般的に乱用性薬物に分類されている。スウェーデンの研究では、ベンゾジアゼピンはスウェーデンにおいて最も乱処方されている薬物分類であった。自動車運転者のベンゾジアゼピン服用については、これまでほとんど取り上げられることはなかったが、スウェーデンと北アイルランドの報告では、多くの場合に治療用投与量を超えているという。ベンゾジアゼピン薬物乱用において警戒すべきサインは処方量の増加である。大部分を占める適正処方患者においては、処方量の増加に至ることはない。 米国政府機関SAMHSAによる2004年の全米救急部への調査によれば、米国で最も乱用されている処方薬は催眠鎮静薬であり、薬物理由による救急部受診においては、催眠鎮静薬関係が35%を占め最多であった。その中はベンゾジアゼピンが多数(32%)であり、オピオイドによる救急部受診よりも多かった。また調査ではベンゾジアゼピン乱用率に男女差はなかった。薬物自殺においては、ベンゾジアゼピンは最も一般的に利用される薬物であり26%を占めていた。2004年の米国ではアルプラゾラムが最も乱用されるベンゾジアゼピンであり、続いてクロナゼパム・ロラゼパム・ジアゼパムらが4位までに入った。2014年の医薬品と違法薬物を含めた過剰摂取による死亡者数において、4位がアルプラゾラムで4,217人(総数の9%を占める)、10位がジアゼパム1,729人である。
※この「乱用率」の解説は、「ベンゾジアゼピン薬物乱用」の解説の一部です。
「乱用率」を含む「ベンゾジアゼピン薬物乱用」の記事については、「ベンゾジアゼピン薬物乱用」の概要を参照ください。
- 乱用率のページへのリンク