久隔帖
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『久隔帖』(きゅうかくじょう)は、弘仁4年(813年)11月25日付で書いた尺牘(書状)で、「久隔清音」の句で始まるのでこの名がある。宛名は「高雄範闍梨」とあり、これは高雄山寺に派遣した最澄の弟子の泰範であるが、実質は空海宛である。心が筆端まで行き届き、墨気清澄・品格高邁で、さながら王羲之の『集字聖教序』を肉筆化したような響きを放つ。大きさは、29.2cm×55.2cm。奈良国立博物館蔵。国宝。文化財指定名称は「伝教大師筆尺牘」。 久隔清音馳恋無極傳承安和且慰下情大阿闍梨所示五八詩序中有一百廿禮仏并方圓圖并註義等名今奉和詩未知其礼仏圖者伏乞令聞 阿闍梨其所撰圖義並其大意等告施其和詩者怱難作著筆之文難改後代惟示其委曲必造和詩奉上 座下謹附貞聡仏子奉状和南弘仁四年十一月廿五日小法弟最澄状上高雄範闍梨法前(以下省略) — 『久隔帖』 文面は、「大阿闍梨(空海)の示された五八の詩(『中寿感興詩』)の序に、『一百二十礼仏』『方円図』『註義』という書名がある。その詩の韻に和して返礼の詩を作って差し上げたいが、私は『礼仏図』なるものをまだ知らない。どうかこの旨を阿闍梨(空海)に伝えられ、『方円図』『註義』とその大意とをお知らせいただきたい。(以下省略)」という趣旨の内容である。
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