主語の起源と存在理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 03:23 UTC 版)
主語は元々三段論法など伝統論理学の用語であった。三段論法では2つの前提文から結論文を正しく導くことが目的になる。ここで「文」とは「全てのバラは 赤い」のような平叙文であり、真偽の判定ができる、いわゆる命題のことである。 文は前半部分「主語」と後半部分「述語」とからなるとされる。主語とは、それについて「何事か言われるもの」であり、述語とはその言う事柄のことである。そして正しい考えの道筋が、複数の文の主語・述語を比較することによって説明される。文は真偽を問うことができるが、文の主語や述語を取り出して、それだけについて真偽を判定することはできない。 この主語という言葉が伝統文法の成立時から取り入れられ、ここでは基本的に「動詞に一致する主格名詞」の意味になった。文の前半部分はそのような名詞になることが多かったからである。やがて伝統文法は、同じく「偉大なる西洋の伝統」の柱である伝統論理学とともに学校で教えられることになる。 ここで2つの概念「意味の完成に必要な要素」と「動詞に一致する主格名詞」が同じ言葉「主語」を橋渡しになかば同一視された。また文法とは「文章作法」であったから、定着した理解は「作文において、あらゆる文には主語と述語がなければならない」というものであった[要出典]。「主語 + 述語」のパターンの有無が、まともで「論理的な」文章の基準となったわけである。
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