中央チャネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 23:35 UTC 版)
詳細は「en:Sec61」を参照 トランスロケーションチャネルは、原核生物ではSecYEG、真核生物ではSec61(英語版)と呼ばれるヘテロ三量体タンパク質複合体である。これは、SecY、SecE、SecGサブユニットから構成されている。アイドル状態のこのチャネルの構造は、古細菌のX線結晶構造解析によって解明されている。SecYは大孔サブユニットである。側面から見た場合、チャネルは砂時計型の形状をしており、両側に漏斗(ろうと)がある。細胞外の漏斗には、αヘリックスから形成された小さな「プラグ」がある。膜の中央には、側鎖を内側に突出させた6つの疎水性アミノ酸の細孔リングから形成された構造がある。タンパク質のトランスロケーションの際に、プラグは邪魔にならない位置に移動し、ポリペプチド鎖は、細胞質側の漏斗から細孔リング、細胞外の漏斗を通って細胞外空間へと移動する。膜タンパク質の疎水性セグメントは、側方ゲートを通って脂質相に横方向に出て、膜貫通セグメントとなる。 大腸菌では、SecYEG複合体は膜上で二量体化する。真核生物では、Sec61の複数のコピーが集まって、オリゴサッカリルトランスフェラーゼ(英語版)複合体、TRAP複合体、および膜タンパク質TRAM (シャペロンの可能性) など構成要素とともに、より大きな複合体を形成する。シグナルペプチダーゼ(英語版)複合体やSRP受容体などのさらなる構成要素については、それらがトランスロコン複合体に一時的に結合しているだけなのかどうかは明らかではない。
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