中国国外の活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:31 UTC 版)
「東トルキスタン独立運動」の記事における「中国国外の活動」の解説
東トルキスタンにおけるテュルク系民族の運動組織は、初期の抵抗運動を除き、中国国外に運動拠点を置くものが多い。1949年に行われた中国人民解放軍の新疆進駐直後には、アルタイ地区でゲリラ活動を続けたカザフ人軍人のオスマンや、クムル市で武装闘争を続けたウイグル人の中国国民党幹部ヨルバルスらの活動がみられたが、オスマンは1951年に処刑され、ヨルバルスは台湾に亡命するなど、いずれも早期に鎮圧された。 近年では、在外亡命者社会でも、中国統治下で教育を受けた若い世代の亡命者が増えつつあり、トルコや中央アジア諸国だけでなく、ドイツ、スウェーデン、アメリカ合衆国、カナダ等の欧米諸国に亡命後の生活拠点を置く者も多い。ヨーロッパにおけるウイグル人社会の中心地となったドイツでは、各国のウイグル人亡命者組織の上部機関である世界ウイグル会議や、東トルキスタンに関する広報活動を行っている東トルキスタン情報センターがミュンヘンに本部を置いて活動している。また、米国では、ワシントンD.C.に本部を置く在米ウイグル人協会が、ウイグル人の人権状況改善のための広報活動を積極的に実施しているほか、米国議会の支援で運営されているRFA(自由アジア放送)がウイグル語の短波放送を行っている。 中国国外で活動するこうした団体は、アムネスティ・インターナショナルや、ヒューマン・ライツ・ウォッチに代表される国際的な人権団体と連携を取り、中国国内における人権侵害の状況を国際世論に訴えている。 中国政府は、こうした中国国外における運動団体の動向を注視しており、2009年6月4日、亡命ウイグル人に対する違法なスパイ活動にかかわったとして、スウェーデン政府が駐在の中国外交官を追放する事件も起きた。
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