中国の実録
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中国には起居注といって史官が皇帝の言行録を留める制度があり、『旧唐書』経籍志からは、古くは『漢献帝起居注』や晋・宋・後魏の時代の起居注などがあったことがわかる。この起居注を中心的な史料として、皇帝が崩御した後に正式な書としてまとめたのが実録であり、その起源は南北朝時代のころであるとされ、『旧唐書』経籍志には『梁皇帝実録』などの記録が見える。この『梁皇帝実録』は梁の武帝の事績を記したものだという。しかし、その編纂の制度が盛んになったのは唐代になってからであり、同じ皇帝に対して複数の実録が撰録されることもあり、房玄齢撰『高祖実録』、房玄齢撰『太宗実録』、長孫無忌撰『太宗実録』、許敬宗撰『高宗実録』、武則天撰『高宗実録』など枚挙に暇がない。さらに、実録を元にして各王朝の史書、つまり正史が作られることとなる。 現存する実録としては、唐の『順宗実録』(編纂者韓愈の『韓昌黎集』外集に収録)と北宋の『太宗実録』(元80巻、現存20巻)が見られるほか、『明実録』(13部、3045巻)と『清実録』(12部、4403巻)を見ることが出来る。明・清の実録は、ともに影印出版されているため便利である(『大明実録』、1942年・『大清歴朝実録』、1937年)。
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