中国の封泥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:09 UTC 版)
中国でも封泥は印章とともに広く使用された。 中国での封泥は、物品輸送の際の封緘や証明だけでなく公文書の封緘にも用いられた。紙が発明される以前、文書はすべて木簡・竹簡に書かれ、それを紐でつなぎ合わせて巻物状にして保存していた(簡冊)。通常は紐などでくくっていたが、公文書の場合は封泥が封緘に用いられた。木簡・竹簡は紙と違って削るだけで改竄が可能なため、厳重に封をかける必要があったのである。 中国の封泥にもやはり責任の所在を明らかにするために印が押された。この印は多くは自分の身分や職位を示すもので、官印であることが多い。古代の官印はこの役割が主で、印文がすべて白文(陰刻)なのも封泥に押捺した印顆が浮き上がって見やすいためであった。 なお封泥にはただ粘土を貼りつけるものと、「検」と呼ばれる木片をくくりつけ、そこに粘土を貼りつけたものの2種類が存在した。後者の場合は封緘材というよりも、むしろ証明書としての役割が重視されている。 封泥は官印の使用が確認されている戦国時代から始まり、秦漢時代に最も流行した。魏晋南北朝時代以降は紙の普及により次第に淘汰される。
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