両性 (化学)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 02:39 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動化学において両性物質(りょうせいぶっしつ、英: amphoteric substance)とは、酸とも塩基とも反応する物質のことである[1]。多くの金属(亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム、ベリリウムなど)と半金属は両性酸化物を作る。この他、アミノ基とカルボキシル基の両方を持つアミノ酸(双性イオン参照)、自己イオン化化合物である水も両性物質に含まれる。
例
- 酸化亜鉛の反応は溶液のpHに依存する。
- 酸性条件: ZnO + 2H+ → Zn2+ + H2O
- 塩基性条件: ZnO + H2O + 2OH- → [Zn(OH)4]2-
- この性質は異なるカチオンの分離(例:亜鉛とマンガン)に使うことができる。
- 水はもっとも単純な両性物質の例である。
- 塩基 (プロトン受容): H2O + HCl → H3O+ + Cl−
- 酸 (プロトン供与): H2O + NH3 → NH4+ + OH−
- 酸との反応: Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O
- 塩基との反応: Al(OH)3 + NaOH → Na[Al(OH)4]
- 酸との反応:Be(OH)2 + 2HCl → BeCl2 + 2H2O
- 塩基との反応:Be(OH)2 + 2NaOH → Na2Be(OH)4
- 酸との反応:PbO + 2HCl → PbCl2 + H2O
- 塩基との反応:PbO + Ca(OH)2 +H2O → Ca2+[Pb(OH)4]2-
- 酸との反応:ZnO + 2HCl → ZnCl2 + H2O
- 塩基との反応:ZnO + 2NaOH + H2O → Na22+[Zn(OH)4]2-
この他、Si, Ti, V, Fe, Co, Ge, Zr, Ag, Sn, Auも両性酸化物を作ることができる[2]。
脚注
- ^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版: (2006-) "amphoteric".
- ^ CHEMIX School & Lab - Software for Chemistry Learning, by Arne Standnes[リンク切れ] (program download required)
関連項目
「両性 (化学)」の例文・使い方・用例・文例
- 私は十代の後半に自分の両性素質に気づいた。
- 特殊な状況下でのみ、ミジンコは両性生殖を行う。
- 両性者
- 両性花
- 陰陽両性
- 男女の(両性)交際
- 男女両性
- 雌雄両性動物
- 両性の人によって出席される
- プレトドン科両性綱属
- 体長に沿って単独剛毛骨を持つ、両性個体の地上性・水生環形動物
- 雄雌両性の水生、陸生、または寄生の環形動物
- 海底の泥の中にすむ両性具有の虫のような動物
- 雄雌両性とも大きな枝角を持つ北極鹿
- 両性愛者を指す俗語
- 外鰓という,両性類の器官
- 一人で男女両性の性殖器を持っていること
- 一人で男女両性の性殖器を持っている人
- 両性花である花
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