不適切なマニュアル改訂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 08:31 UTC 版)
「東京ジョイポリス転落死亡事故」の記事における「不適切なマニュアル改訂」の解説
事故発生後に第三者機関を交えて設置されたセガの事故対策委員会の調査の結果、直接の原因はアトラクションの運営マニュアルの改訂に際して管理部門や開発部門の関与を義務付けるようなルールが存在しなかったことにあると指摘した。 当該アトラクションの運用開始にあたり2000年に作成された運行マニュアルでは、肩からのハーネスとシートベルトの両方を装着することを“絶対運行条件”として、これを満たさない場合は運行しないものと規定しており、運行者もシートベルトが締まらない客の搭乗を全て断っていた。 しかし、その後、要望があればシートベルトが締まらなくても搭乗を許容するようになった。2003年に運用実態に合わせて運営マニュアルを改正し、シートベルトを締めることを原則としつつも例外を許すように規定した。このようなマニュアル変更に当たっては、本社の管理部門や開発部門の合意を要するというようなルールが存在せず、運用者の判断でマニュアルを改訂できるような枠組みになっていた。 調査結果を踏まえて、以下の安全対策を実施することとした: 各種運営マニュアルの作成・改訂、および承認に関する手順を規定し、マニュアル類は本社にて承認・一元管理されるべきことがルール化された。 アトラクションの運営にあたる社員は所定の社内教育を修了することを義務付けたことに加え、アトラクションの単独運行を行うためにはアトラクションごとに定めたアトラクション運行承認テストに合格しなければならないよう規定した。 東京ジョイポリスのアトラクションのうち、事故発生機である「ビバ!スカイダイビング」のほか「アクアノーバ」「かごめ唄(前編・後編)」「ミステリーウォーク」を廃止。「ハーフパイプキャニオン」「スピードボーダー」は調査結果を受けて改修。 そのほか、全従業員を対象として身体障害者への対応を改善するための社員研修を行う、など。
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