不眠症と寝酒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 05:12 UTC 版)
日本人では不眠症の解消に寝酒を飲む人間は多い。その背景として「睡眠薬は怖い」という先入観がある。しかし、医療関係者からは、寝酒よりも睡眠薬の方が遥かによいと言われている。 また、エタノール摂取による入眠時間の短縮効果を利用することを続けて、眠るために寝酒を飲むことが習慣化し、連日飲酒するようになると、エタノールに対する耐性がついてしまう。結果、これまでと同量の酒量では十分な酔いが得られないため、徐々に飲酒量が増えると言われる。飲酒量の増加や連日の飲酒は、身体への負担となり、結果として、様々な疾病の原因となるとされる。(肝臓の病気としてアルコール性肝炎などが有名だが、その他の臓器にも悪影響を与える。)このように、そもそも連日の飲酒自体、避けるように薦められているのだが、眠るために寝酒を飲むということを習慣化させた場合、飲まないと眠れなくなり、結果、アルコール依存症の一因にもなるとされるので注意が必要である。これは、長期間の大量の飲酒に伴う睡眠の質の変化の反動で、断酒によって不眠になるためと、就眠儀式(眠る前に習慣的に行っていること/例:毎日眠る前に戸締りを確認すること、など。ここでは毎日の寝酒を指す)を行わないために眠れない、など複数の理由が挙げられている。したがって、寝酒としての酒類の摂取量や摂取法には注意が必要である。 医療関係者によれば、不眠症対策として寝酒を飲んでいる人は、ストレス解消を目的として飲酒する人よりも、アルコール依存症になる確率が高い。 なお、睡眠薬と寝酒の併用は自殺行為とまで言われている。
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