不活性雰囲気下での取り扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/03 04:16 UTC 版)
「グローブボックス」の記事における「不活性雰囲気下での取り扱い」の解説
この種のボックスでは溶媒蒸気や水分、酸素などを取り除く装置が設置されており、ボックス内部に充填したアルゴンや窒素を循環させることで内部の雰囲気が常に一定に保たれるようになっていることが多い。この装置では内部の酸素を除去するために、加熱した銅が用いられることが多い。反応後の銅を加熱して水素/窒素の混合気体を通すと再生できるようになっており、このとき発生する水は過剰の水素/窒素の混合気体と共に装置外部へ排出される。水分はモレキュラーシーブに吸着されるようになっている。この種のボックスは、有機金属化学の研究者が酸素や水分に弱い化合物を取り扱うときによく用いられる。 大気に不安定な化合物を取り扱う方法として、グローブボックスの他にはシュレンク管を用いる方法がある。グローブボックス内で有機溶媒を扱うと、溶媒蒸気がプラスチックの接合部を溶解させ、水や酸素が浸入してきてしまう可能性がある。またグローブボックスといえど、手袋のゴムの部分を通じて酸素や水分が浸入してきてしまうことは避けられない。 一般的に、内圧が大気圧より若干高くなった状態で用いられる。この場合はボックスに微量な漏れが生じた場合であっても内部のガスが大気に漏れてくるだけであり、外気がボックス内部に浸入してくるのを防ぐことができる。
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