不可触民の職業について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 22:57 UTC 版)
ダリットには、皮革労働者(チャマール)、屠畜業者(マハール)、貧農、土地を持たない労働者、街路清掃人(バンギー、またはチュラ)、街の手工業者、バーリヤなどの民俗芸能者、洗濯人(ドービー)などのジャーティが含まれる。ジャーティがインドの社会秩序においてどのような地位を占めるかの基準は、人格や専門性などではなく、その職業を行うに当たって接触する物体の浄・不浄の度合いによって決められているとされている。穢れは、「死」「産」「血」「体からの分泌物」より生じると考えられ、次々に伝染するとされてきた。上記の職業は、不浄なものに触れやすいとして、伝統的に、特に低い地位に置かれてきたのである。 不可触民のなかにも序列がある。占い師と医師を兼ねるバッルバンというジャーティは、不可触民のなかで最高位を占め、「賤民中のバラモン」と自称することさえある。反対に、清掃、糞尿汚物処理専門の人々は不可触民のなかでも最も地位が低く、卑しめられている。これらの職業は基本的に世襲であることから、不可触民の中には、人間以下の境遇から抜け出るため、これらの仕事を放棄することが増えてきている。 ムサハール(Musahar)はインドで最も疎外された社会集団の一つで、約250万人いるとされる。政府に記載されていない人々を考慮すると・800万人はいるとも予想される。別名「ネズミを食べる人」と呼ばれ、ダリットからも蔑まれている。ムサハールの人々はどこへ行っても差別や孤立、極貧状態に直面する。大半は今でも農業労働者としてしか働けず、不作の時には野原でネズミやカタツムリを獲ったり、穀物をあさったりするしかない。
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