下之巻(奥丹波隠れ家の段)
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「大経師昔暦」の記事における「下之巻(奥丹波隠れ家の段)」の解説
場面は奥丹波柏原。おさんと茂兵衛は借家住まいをして潜んでいたが、おさんは正月の万歳に正体を見破られる。茂兵衛も噂話によって、助右衛門たちが隣村にまで来ていること、京都からの手配状が回って来て捕縛の手が伸びていることと知る。二人は丹後宮津の茂兵衛の身内を頼って逃げることにするが、別れの際に道順から餞別に与えられた金の残り(銀800目)を家主の助作に預けていたため、これを返してもらおうと助作のもとに赴く。しかし、助作がなにかと口実をつけて引き延ばしているうちに、捕手の役人に踏み込まれて捕縛される。二人の態度は堂々としたものであり、おさんは「親の情」の銀を黒谷に返すように言う。そこへ梅龍が玉の首(首桶)をもって駆け付け、すべての罪をお玉に着せることで二人の助命を乞うが、役人からはかえって二人の身の潔白を示す玉という証拠人がなくなってしまったと退けられる。おさんと茂兵衛は京都に引き立てられる。 牢舎への道行には「おさん茂兵衛こよみ歌」が挟まれる。道順夫妻は、自分たちを身代わりにして二人を助けてほしいと懇願するが、追い払われる。そこへ、黒谷の東岸和尚が登場し、二人に衣をかぶせて、「衣の徳」によって「助けた」と呼ばわり、人々も道順夫妻も喜びの声を上げる。
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