下エニセイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:34 UTC 版)
エニセイ川とアンガラ川がストレルカで合流した後、大カズ川(Great Kaz)が300キロメートル下流で合流する。この川は、オビ川支流のケート川(ケチ川、Ket)と、オビ・エニセイ運河で結ばれていたことが特筆される。エニセイ川は幅が広くなり、川には無数の中州が出現し、多くの支流が合流して流れは大きくなる。特に大きな支流は、長さ1,800キロメートルを超えるポドカメンナヤ・ツングースカ川、および3,000キロメートル近い長さのニジニャヤ・ツングースカ川という右岸側の二つの大河で、いずれも東の中央シベリア高原から流れている。これらの川の上流に当たるツングースカ地方はツングースカ大爆発で知られるが、現在は石油・天然ガスの探査や開発が進んでいる。ニジニャヤ・ツングースカ川との合流点を過ぎると、エニセイ川は北極圏に入り、ツンドラ地帯が広がる。 エニセイ川は年の半分以上は凍結する。何もしないと無数の氷が川をせき止めて洪水が発生してしまうため、爆発物を使い氷を吹き飛ばし水を流す作業が行われる。ドゥディンカは、クラスノヤルスクと定期客船で結ばれる最下流の港町である。河口の先では幅50キロメートル、長さ250キロメートルのエニセイ湾が形成されている。この部分では砕氷船が航路を確保するために使われる。 氷期には、北極への流路は氷床で閉ざされていた。まだ詳しいことは分かっていないが、最終氷期にはエニセイ川やオビ川は西シベリア低地を覆うほどの巨大な湖(西シベリア氷河湖)に流れ込んでいたとみられる。またこの湖の水は北極海に出られないため、最終的には黒海に向かっていたと考えられている。
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