丁重語/鄭重語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:09 UTC 版)
聞き手が、話し手よりも上位であることを表す語彙をいう。必ず「ます」を伴うことが特徴である。また話し手は話題中の動作主であるか動作主と同じグループに属する。この種の敬語は,一般に謙譲語と呼ばれてきたが,ここでは,謙譲語と区別して,特に丁重語と呼ぶこととする。 丁重語は基本的には自分側のことを述べる場合に使い,特に相手側や立てるべき人物の行為については使えないのに対し、丁寧語は自分側のことに限らず,広く様々な内容を述べるのに使えることである。また丁重語は,丁寧語よりも改まった丁重な表現である。 語形変化には以下のような方法がある。 する→致す、いる→おる、行く・来る→参る、言う→申す 名詞に関しては規則的に丁重語を生成することができないが、下記のような例がある。 茶→粗茶 品→粗品 贈り物→つまらない物 妻→愚妻(同様に愚息、愚兄、愚弟、愚妹) 夫→宿六(“うちの碌でなし”を略し、更に字を充てた) 自分の子→豚児(但しここまで卑下するのは当人の自尊心を傷つける事にも繋がるので控えるべしという意見がある) 著作→拙著 理論→拙論 当社→弊社、小社 なお、物を贈る際に「つまらないもの」と称することが日本語独特の表現のように言われることがあるが英語でも"This is my little gift to you."(小さな贈り物です)のように自らの贈り物について謙遜する表現は存在する。
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