一般的な反応機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/04 13:40 UTC 版)
「有機ホウ素化合物の反応」の記事における「一般的な反応機構」の解説
ボラン類は単独では求核性が低いためアルキル基を求電子中心に移動させることができない。しかし求核剤による攻撃を受けて生成したホウ酸塩は求核性が高い。求核剤のα位に不飽和な官能基や脱離基が結合していた場合、アルキル基の一つがホウ素に結合し、アルキル基の負電荷を安定化する能力が高ければ求電子性の高いα炭素への転位が起こる。アルキル基の負電荷安定化能は以下のような順になっている アルキニル > アリール ≈ アルケニル > 1級アルキル > 2級アルキル > 3級アルキル。転位反応の際は転位元となる炭素では元の立体化学が保持されるが、 転位先の炭素では立体化学が反転する(転位先の炭素がsp3混成だった場合)。ビス(ノルボルニル)ボランおよび9-BBNはヒドロホウ素化におけるダミー官能基として用いられる。ヒドロホウ素化したオレフィンから得られるアルキル基のみが求核剤として活性を持つ。 (2) α-ハロエノラートは有機ホウ素化合物が関わる反応において幅広く用いられる求核剤である。ホウ素に求核攻撃して生成するケトボロン酸塩は転位して中性のエノールボランになる。これを加水分解することでカルボニル基を持った化合物が得られる。反応中間体のエノールボランは求電子剤でクエンチされる。 (3) アルキニルボランはアルキンへの攻撃と転位が同時に起こるため、ケトン・オレフィンいずれにも変換できる有用な中間体である。生成するアルケニルボランでは求電子剤と転位基がトランスの位置に結合する。この中間体の加水分解によりオレフィンが生成し、ケト-エノール互変異性により酸化されるとケトンになる。 (4)
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